イ・ジェミョン政府、現時点での首相・長官候補者18人中8人が「現職国会議員」という話

韓国の行政府長官(大臣に相当)の役職には、原則、現職の国会議員は就かないという暗黙のルールがあります。任命は可能ですが、三権分立の観点から就任と同時に議員を辞職すべきとされています。

しかし、必ず辞任しなければならないというわけではありません。韓国の憲法は国会議員の兼職を禁じていますが、国会法において議員と行政長官の兼職は認めているからです。
あくまで「倫理上」好ましくないとされているだけです。

事実、歴代政権の中ではムン・ジェイン政権時の長官48人中18人が現職国会議員(約37%)で最高比重だったそうです。ちなみにユン・ソンニョル政権は議員との兼職長官は3人です。
イ・ジェミョン政権は現時点で挙げられている候補18人中8人(約44%)が現職議員となっています。

 



世界日報の記事からです。

首相・長官候補の44%が議員...「三権分立逆行」批判不可避


(前略)

李大統領は29日までにキム・ミンソク首相候補者を含め、計18人の首相・長官候補者を指名した。このうち、チョン・ユン候補者を含め、8人が地方区の国会議員の身分だ。全体候補者のうち44.4%が現職議員だ。憲法は国会議員の兼職を禁止しているが、国会法では国務委員は例外対象としている。比例代表の国会議員は指名の際、議員職を辞任するのが慣例だ。
現職議員が一度も落選しなかった事例を考慮すれば、地方区の国会議員職と国務委員を兼職する割合が40%を超えることは実現する可能性が高い。

(中略)

大統領室は、「急を要する国政運営のための選択だ」と説明した。

(中略)

合わせて人事聴聞会「議員不敗」を考慮した措置という解釈も出ている。歴代政権は発足初期の人事聴聞会で各種論議などで候補者が落馬し、政権運用に支障を来たしてきた。国会議員経歴者が聴聞会で落馬しなかった前例を考慮したのではないかという指摘が出ている。議員たちが聴聞会で落馬しなかった理由としては、選挙などを経て「検証」を経たことと他の議員たちの「同僚意識」程度も挙げられる。院内過半数(151議席)を超え167議席で絶対過半数を占めている共に民主党の状況上、議員兼任長官が多数出ても法案通過などに大きな支障をきたすことはないという判断も作用したものと見られる。

(中略)

国会議員の長官職兼任を巡り三権分立」に逆行するのではないかという批判は避けられないものと見られる。これまで国会議員の長官職兼任を巡り与党議員らが大統領室に「反旗」を掲げられない理由という指摘があった。国会議員の本来の目的である立法活動に制限があるという指摘も出ている。国会立法調査処の2019年研究結果によると、第17~20代国会での議政活動を分析した結果、現職国会議員が行政閣僚を兼職する場合、代表発議件数が14.5件減ることが分かった。龍仁大学教養学部のチェ・チャンリョル教授は、世界日報との電話インタビューで、「現在の憲法・法律体系では(議員の長官兼任が)問題は全くないが、大統領制の下では少し合わないのも事実だ」とし「大きな問題はないと思うが、数が多い。自制する必要はありそうだ」と述べた。



世界日報「총리·장관 후보 44%가 의원… ‘삼권분립 역행’ 비판 불가피 [李정부 2차 내각 인선](首相・長官候補の44%が議員...「三権分立逆行」批判不可避)」より一部抜粋

周りを「お仲間」で固めることで反対意見を封殺し「これが民主主義」とのやり口は、まさに左派という感じですね。