「大学生にノートPCはいらない」ーMicrosoftさんの広告の話

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Microsoftさんが「大学生にノートPCはいらない」「大学生活なんて、スマホがあれば大体上手くいく」という広告を打ち出しています。
スマホ事業から撤退したくせになかなか挑発的な広告ですね。



逆説的に「大学生にノートPCの必要性を訴える」広告


動画を観ていくと大学生のその先を見据えた内容となっています。

何かを生み出すためのツールとしてのノートPCの必要性、創造力を形にするためのツールとしてのノートPCの有用性を主張した内容です。

確かに、今の世の中スマホがあれば大体なんとかなるし、最近の新入社員にはマウスを使ったことがないとか、「コピペ」が通じないとか色々ジェネレーションギャップがあるみたいです。


講義への持ち込みは制限した方が良い


クリエイティブな部分でのPCの有用性は確かに高いです。
講義へのノートPC持ち込みは制限すべき」というのが個人的意見です。


日本ではあまり議論を聞かないんですが、米国では講義ノートをノートPCでとる生徒と紙とペンでとる生徒とで学力を比較するような研究が行われています。


特に印象的だったのは、昨年ニュージャージー州の大学で心理学者らが行った実験で授業中に電子機器の使用が許可されているクラスと厳しく制限されているクラスとの比較実験です。

この実験では、118人の生徒を2クラスに分け、片方には授業中の電子機器の使用を許可し、もう片方のクラスは不許可という状況の元で、学期中、講義ごとに前回講義の理解度テストと、3回の定期テスト、そして期末テストを行うというものです。

理解度テストでは2つのクラスの学力差は現れませんでしたが、期末テストにおいて電子機器の使用が許可されていたクラスの成績は制限されていたクラスに比べて5%ほど低下していました。


この実験結果では教室内で注意を分散させると試験の成績が低下するとしています。
電子機器を授業の内容と関係のないことに使ったかということが成績に影響するということです。

ざっくり言うと、電子機器の使用が許可されている状況下だと人間気が散るということですね。

期末テストに影響が出たということで、特に長期記憶への定着に影響を与えている可能性が指摘されています。


まとめ


クリエイティブな作業をするためや論文を書く際には積極的に利用すべきだと思うのですが、講義への持ち込みには制限を掛けた方が学生のためかもしれません。

4月から大学生になられる方や、その親御さんは授業中の電子機器の利用についてルール作りを検討してみてはいかがでしょう。