韓国の銀行、自営業者限定で5%以上の金利貸出者に最大150万ウォンのキャッシュバックを検討中という話

なんでこんなことになるのか分からないのですけど、韓国の銀行が年率5%以上の金利で融資を受けた自営業者に対して、最大150万ウォン(約15万円)を返却する案を検討しているそうです。
実現すれば2兆ウォン規模、去年の当期純利益の10%を占める割合です。

 



聯合ニュースの記事からです。

銀行圏「金利5%超過」の自営業者に最大150万ウォンの利子を返す見通し


(前略)

10日、金融界によると「銀行圏民生金融支援タスクフォース(TF)」は7日午前、非公開会議を開き、具体的な共生金融対策について話し合った。先月29日、初会議と共にスタートしたこのTFには、銀行連合会と会員銀行、金融委員会・金融監督院関係者が参加している。

銀行圏が用意した最新案とTFで議論された内容などを総合すれば、今回の共生金融または民生金融支援対象は「2023年末基準で金利が5%を超過する企業貸出を保有した自営業者・小商工人」に狭まった。ただ、不動産賃貸業の貸出者は対象から除外される。

彼らに対する支援方式はキャッシュバックで、彼らが来年中に納付する利子の一部を現金で即返金する形だ。

(中略)

個のキャッシュバック支援には産業銀行と輸出入銀行を除く18行(市中銀行・インターネット銀行・地域銀行)が参加するが、銀行連合会のシミュレーションの結果、総支援額は約2兆ウォンに達する。

(後略)



聯合ニュース「은행권 '금리 5%초과' 자영업자에 최대 150만원 이자 돌려줄 듯(銀行圏「金利5%超過」の自営業者に最大150万ウォンの利子を返す見通し)」より一部抜粋

債権放棄というわけではないですし、民間銀行が自分たちの利益を削るだけですから税金が投入されるわけでもありません。
ただ、前に韓国政府は政策金利を上げても銀行には金利を上げないよう要請したことがありました。貸出金利が上がると利子負担が大きくなるし、預金金利が上がると貯蓄に回って債券市場が梗塞するから、という理由でした。
今回の案も身銭を切るのは銀行自身ですが、政府当局からの「働きかけ」が相当あったんじゃないかなぁ、なんて邪推してしまいました。

それと、今回の支援案からしてターゲットとなっているのは恐らく「一番弱い層」ですよね。本来であれば限界を迎えて当に倒れているはずの死に体を、いたずらに生き長らえさせるだけにならないと良いんですが...。