「韓国は極度の監視文化を持っている国」という批判の話

韓国メディアの記事を見ていると、コロナ対応について「世界が韓国を絶賛」というような論調が多いので、へーそうなんだー、と思っていました。

新規感染者数が減っているということは上手くいっているのでしょう。
でも上手く対応しているはずなのに、フランスのある経済紙に寄せられた寄稿文では韓国のことを「個人の自由を尊重していない最悪の国」と批判しているそうで、大使館が思わず、カッとなったそうです。
どちらかというと、上手くいっている「結果」そのものではなく、その「手段」(と文化的背景)についての批判です。


中央日報の記事からです。

仏媒体「韓コロナ防疫、極度の監視のおかげ」...大使館、カッとなり


新型コロナウィルス感染症(コロナ19)拡散で最悪に疲弊しているフランスで韓国の防疫対策を指し「個人の自由を尊重していない最悪の国」という趣旨の非難が出て現地で議論になっている。一経済誌に弁護士が寄稿したコラムであるが、媒体の影響力を意識したフランス大使館がカッとなって出た。

議論は、フランス経済誌レゼコー(LesEchos)が6日に発行した「コロナウィルスと追跡:個人の自由を犠牲にさせてはいけない」という題の寄稿文から始まった。「オピニオン」欄に載せられた文であり、著者はヴィルジニー・プラテル弁護士であった。

プラテルは寄稿文を通じで「台湾と韓国はコロナウィルスに当たってどのような国々より大きな成功をおさめている」と紹介した。しかし彼女は「韓国は極度の監視文化を持っている国」と批判し「台湾と韓国が位置追跡手段を用いたのは不幸な結果」とした。続いて「政府はフランス人が決してこのようなことを経験しないように努力しなければならない」と声を高めた。

韓国はここ5日間、コロナ19新規感染者が50人あたりを巡っているほど最近、鎮静化を見せている。台湾もコロナ19事態で全世界の模範事例と注目された。プラテル弁護士は韓国と台湾に言及してこの両国の成功的な防疫は自由侵害にあたるという趣旨を主張したものである。

特にプラテル弁護士は韓国を狙って「人々が密告で金儲けをする」という主張を広げることもした。彼女は「韓国は監視と密告において、中国の次に、世界第二の国」と「何千人もの韓国人がストーカーをして密告する技術を学校で学んで他人の誤りを申告してお金儲けをする」とした。

それと共に彼女は「このような国々(韓国、台湾など)はずいぶん前に個人の自由を放棄した国々」ともした。

(後略)

中央日報「佛 매체 "韓 코로나 방역, 극도의 감시 덕분"…대사관 발끈(仏媒体「韓コロナ防疫、極度の監視のおかげ」...大使館、カッとなり)」より


プラテルさんはメディアへの露出の多い弁護士さんのため、発言の影響力を懸念した駐仏韓国大使館は、韓国文化院長名義で反論の寄稿文を送付したそうです。


韓国が結果を出したことは確かでしょう。でも、結果だけでいいんでしょうか?手法に問題は無かったのか、というところは検討されてしかるべきと思います。

バランスを取るのが難しい問題ではありますけどね、私はどっちかっていうとプラテルさん寄りで、韓国の監視はやり過ぎだと感じています。情報の公開の方法も、もう少しやりようがあるように思えます。


感染拡大を抑制するのに移動の自由を制限する「隔離」が必要なのは当然の事ですが、それを「監視」する必要の是非やその方法については議論の余地があります。…なんかね、犯罪者扱いに見えるんですわ。感染すること自体は仕方のないことなのに。


更に言うと、申し訳ないけれど韓国の実情というのも先入観としてあります。

最近の韓国国内では盗撮事件が増加しています。特に男女間のトラブルで盗撮映像によるDVがあったり、このブログでは取り上げていませんが「n番目の部屋」と呼ばれる性的搾取事件が起こっているのは事実です。
こうした事件は「管理」や「監視」のイメージ*1に結びつきやすいですし、情報セキュリティの懸念にも繋がります。


*1:加害者が被害者を管理・監視する、という意味において。