日本語と中国語の「親切」の違いの話

日本語にも中国語にも「親切」という単語がありますし、どちらも漢字語圏なので、一見同じ意味で使えそうですが、微妙にニュアンスが違うのだそうです。


日本語の「親切」は辞書的には「相手の身になって、その人のために何かすること。思いやりをもって人のためにつくすこと。また、そのさま。(goo辞書より)」となっています。行為そのものというより、心の機微に焦点が置かれた言葉です。

それに対して中国語の「親切」は「善意や親しみやすさ」を含む態度全般に使われることが多い言葉なのだそうです。

例えば、日本語では「親切に道を教えてくれた」と言いますが、そこに含まれる「細やかさ、丁寧さ」といったニュアンスは中国語にはないため、中国語でこの言い回しは違和感を与えます。
逆に中国語では「親近感を覚えた」という意味で「親切」を使いますが、日本語では意味が通じなくなります。

同じ漢字語でも含まれる意味の範囲が異なるため、却って使い方が難しくなる単語です。


漢字語といえば、お隣の韓国も(元)漢字圏の国ですので、沢山の漢字語があります。

韓国語で「親切」は「친절(チンジョル)」、Naver辞典によるとその意味は「人に対する態度が非常に情深く迎合的である。またそのような態度。」となっています。

「親切に教えてくれた」という例文が乗っていましたので、用法は日本語のものとほぼ同じで大丈夫のようです。