「ソウル市を世界標準へ」、ソウル市主催オンライン国際会議の話

6月1日〜5日にかけて、韓国ソウル市主催のオンライン国際会議「CAC グローバルサミット2020」が開催されるそうです。
世界40以上の都市の市長が集まり、自治体中心の感染症対応国際機構の設立なども提案される予定で、内容はYouTube上でもライブ配信されます。


イーデイリーの記事からです。

パク・ウォンスン、世界40以上の都市と「ポストコロナ」頭を突き合わせる(総合)


「S防疫を紹介し、社会の全分野にわたる新しい標準都市のビジョンを全世界と共有したい」

パク・ウォンスンソウル市長がコロナ19危機億服と後の時代に備えて、世界の都市と頭を突き合わせる。世界の40以上の都市に韓国K防疫の源泉であるソウル市の「S(Seoul)防疫」を紹介して感染症防疫を含め、気候環境、文化、公共交通機関などのポストコロナ時代の様々な協力課題を議論する。また、都市政府が連携する感染症対応国際機構の設立も提案する。

(中略)

パク・チニョンソウル市民疎通企画官は「コロナ19が影響を及ぼした全社会分野について、世界の都市の対応力を共有する最初の試み」とし「非接触方式のオンライン会議をユーチューブで生中継し、全世界の市民とリアルタイムで共有する点で既存のイベントと差別性を持つ」と説明した。

パク市長は行事二日目、ロシアのモスクワ、インドネシアジャカルタなど世界40都市の市長が参加する「都市政府市長会議」を開く。この席で都市政府の役割と連携の必要性を強調して感染症対応国際機構の設立を提案する「ソウル宣言文」を採択する計画だ。

(中略)

ソウル市は今回のイベントをきっかけに、防疫だけでなく、社会の全分野でソウルが世界の「標準的な都市」に跳躍する契機にするという目標だ。 また、今回の国際会議の期間、「革新企業企業説明会(IR)」の席も設け、有望企業の投資誘致にも対応する。

(後略)

イーデイリー「박원순, 세계 40여개 도시와 '포스트 코로나' 머리 맞댄다(종합)(パク・ウォンスン、世界40以上の都市と「ポストコロナ」頭を突き合わせる(総合))」より一部抜粋


韓国流防疫を意味する「K防疫」は聞いたことありましたが、ソウル流の「S防疫」というのもあったようです。


「ポストコロナ」というのは、韓国メディアの報道ではものすごくよく出てくる語彙です。
コロナ事態を経て「世界は元に戻らない」と言われます。これは欧米のメディアでも言われていることですが、要は既存の枠組みが壊れて新しい枠組みが必要になる、ということでもあります。
「ポストコロナ」とは、その新しい枠組みの時代のことで、韓国はその時代を牽引するリーダー的存在を狙っているわけです。
ルールは「作る側」が常に有利な立場になれるからです。


参加予定の「世界40都市」に日本の都市は一つも入っていません。
どんなところが参加予定なのか少し調べてみたのですが、リストのようなものは公開されていませんでした。
他ソースから分かった範囲では、モスクワ、ジャカルタイスタンブールブダペストテヘラン、テルアビブ、ブエノスアイレスバンクーバー重慶、デリー…このあたりです。
K防疫を絶賛していたはずの欧米の都市が入っていないのが逆に印象的です。(もし参加予定であれば、広報のために名前を使うと思うんですよね…)


韓国が私権を制限することでコロナ対策に大きな効果を出しのは確かでしょうけれど、やはり私権問題に敏感な欧米ほど、現実問題としての「K防疫」導入には慎重にならざるを得ないんでしょうね。


YouTubeでのライブ配信は韓国語と英語の同時通訳が提供されるそうなので、興味のある人はぜひ。(YouTubeの公式ページはこちらから)