韓国人気講師、論文の盗作を認めてすべての番組を降板する話

先日、日本の中国侵略を題材にした韓国TV番組の人気講師ソル・ミンソクさんについての記事を紹介しましたけれども、彼が突然すべての番組からの降板を発表しました。
放送内容の事実誤認問題だけではなく修士論文の盗作疑惑が持ち上がり、本人がそれを認める形になったためです。日本とは直接関係ないのですけれど先日扱った件の後日談として紹介しておきます。

「韓国の〇春砲」とも言えるディスパッチが、論文の検査ソフト「コピーキラー」を使ってソルさんの修士論文をチェックしたところ、全747個の文のうち100%盗作率の文は187、盗作の疑いが高い文は332、全体では盗作率52%となったそうです。普通は許容値が15%以下、25%を超えると盗作という判断基準であることを考えると非常に高い数字です。


中央日報の記事からです。

ソル・ミンソク、修士論文盗作認める「惨憺たる思い...全ての番組を降板する」

著名な歴史講師のソル・ミンソク氏がすべての番組を降板する。
ソル氏は29日、フェイスブックに立場文を掲載し「私に寄せられた多くの期待と信頼に及ばず惨憺たる思い」とし「私は責任を痛感し、出演中のすべての番組から降板する」と明らかにした。「他の論文を参考にする過程で引用と脚注表記を疎かにしたことを認める。弁解の余地のない私の過ち」とし「心からお詫びする。謙虚な気持ちでもう一度学び、勉強したい」と付け加えた。

(中略)

先立って同日午後、Dispatchはソル氏が2010年に延世大学教育大学院で修士号を取得した論文「韓国近代史教科書の叙述に現れた理念論争研究」が他の論文を盗作し、論文盗作ソフトウェアで確認した結果、盗作率が52%となった、と報じた。

イツス・メガスタディなど有名オンライン教育会社で韓国史講師として活動した彼は2012年にMBC「無限挑戦」に出演し、お茶の間の認知度を高めた。その後、SBS「英才発掘団」、tvN「どうする大人」など、活発な放送活動が続き、彼が書いた「ソル・ミンソクの武道韓国史特講」、「ソル・ミンソクの朝鮮王朝実録」、「ソル・ミンソクの三国志」などがベストセラーになり大きな名声を得た。
彼は今月15日、イツスにて引退を宣言し「19年間活動したインターネット講義を辞める」と明らかにし、放送や大衆向けの活動に専念すると見られていた。
しかし、あいにく直後に危機に見舞われた。

(中略)

ソル氏をめぐる議論が広がったがtvNは26日「ソル・ミンソクの裸の世界史」を予定通り放送し、視聴率は5.5%を記録した。前回と同水準と視聴率だ。

しかし結局、論文盗作が足かせとなった。これに対しCJEMMの関係者は「先の議論は『ミス』で済ませられる可能性もあったが、論文盗作は教育的資質と関連するだけにこれ以上続けられなかったのだろう」と述べた。

中央日報「설민석, 석사논문 표절 인정 "참담한 심정...모든 방송 하차"(ソル・ミンソク、論文盗作認める「惨憺たる思い...全ての番組を降板する)」


30代半ばくらいかと思っていたのですけれど、50歳だそうです。かなりお若く見えます。
しかし、ということは修士論文を書いた2010年当時は既に40歳ということです。いい大人です。もうちょっと慎重にセーフとアウトの境界線を見極められるとよかったのですが...。