「イカゲームは韓国社会を反映している」という話

イカゲーム(오징어게임)」とかいうドラマが人気...なんでしょうか?私の周囲で観たという人が居なくてちょっと分からないのです。
どうやら内容的には「カイジ」らしいです。借金まみれの人たちが、借金をチャラにできるほど高額な賞金を得られるゲームに挑戦して、負けると即人生ごとゲームオーバーになるとか。ただ、挑戦するゲームが鉄骨渡りじゃなくて、子供の遊び(だるまさんが転んだ的な)なので分かりやすいのが人気の秘訣?なのかしら?

私自身が観てないので取り上げるのもアレなんですが、このドラマの内容が「韓国の厳しい家計負債・自殺率などの世相を反映している」との分析記事が出たそうです。

 

 

ル・モンドイカゲーム、韓国社会の家計負債・不平等を反映」


フランス日刊紙ル·モンドがネットフリックスオリジナルシリーズ「イカゲーム」ブームの背後に韓国社会の弊害が生じていると分析した。
賞金456億ウォン*1を貰うために456人が命をかけて繰り広げる生存ゲームは、韓国社会が抱いている残酷な現実を反映しているというのがル・モンドの分析だ。

ル·モンドは「韓国の家計負債が国内総生産GDP)の100%を上回っており、2014〜2018年にソウル麻浦大橋で極端な選択をした800人のうち多数が借金に苦しんでいる」と背景を説明した。
さらに、コロナ19の大流行まで加わり職を探すことが難しくなった若者層は借金まで抱えながら、オンライン賭博や仮想通貨投資に夢中になっているという現状も伝えた。

ル·モンド紙によると韓国政府は数々の対策を打ち出しているが、その対策が効果を発揮するまで待っている間に不平等はさらに拡大しているという。
ル·モンドはまた、来年3月の大統領選挙を控え、政治家も相手陣営を攻撃するのに「イカゲーム」を積極的に活用しているとも伝えた。


(中略)


また、国家革命党のホ·ギョンヨン名誉代表が今回の大統領選挙で得票率50%以上で当選すれば、18歳以上の国民すべてに1億ウォン*2を支給するとして、「ホ·ギョンヨンゲーム」を提案したのも事例として提示された。


(中略)


国務省でも「イカゲーム」ブームが韓国社会の現実を反映しているという内容の報告書が登場したという報道も出た。
外交専門誌フォーリンポリシー(FP)は15日(米現地時間)、米外交官たちが国務省に報告した「外交全文」を入手したとし「(韓国の)二大政党の大統領選候補たちが公正で正義の社会を作ると選挙運動をしているが、彼らの選挙演説は青年層の間ですでに大きくなっている政治的冷笑主義に更に貢献している」と伝えた。

それとともに「該当の外交全文は大統領選挙を控えた韓国で暴力的な生存ドラマ(「イカゲーム」)が暗鬱な経済状況への挫折感を反映したものと描写している」と説明した。


(後略)


ソウル新聞「佛르몽드 "오징어게임, 한국사회의 높은 가계부채·불평등 반영"(仏ル・モンド「イカゲーム、韓国社会の家計負債・不平等を反映」)」より一部抜粋

韓国さんがよく言う「映画(フィクション)が証拠」は、私は全く理解できないのですが、その逆、つまり現実の認識がフィクションの表現に取り入れられることはあると思っています。

このドラマがそれに当たるのかどうかは何とも言えませんけれども、人間って関心の無いこと、共感できないことには琴線が動かないんじゃないかと思うのです。
そういう意味では、ル・モンドの指摘するように韓国社会が抱える問題が反映されているのかもしれませんね。(というか、「パラサイト」もそうでしたけど楽しそうなテーマの作品が話題にならないというのもどーなんだろー...)

*1:約44億円

*2:約960万円