東大教授、日本が強制徴用の歴史的事実を認めないのは「韓国に負けたくないから」という話

日本が徴用訴訟判決を無視するのは、認めると「韓国に負けたことになるから」という不思議な主張が出てきました。
「アジアNo1という自尊心から歴史的事実を無視する」のだそうです。
いつものことではありますが、韓国による国際法違反状態という歴史的事実も、日韓請求権協定により解決済みという歴史的事実にも触れていません。

 

 

ソウル新聞の記事からです。

「日、韓に負けたくなくて歴史無視...強制徴用謝罪・賠償は難しい」


(前略)

30日は強制徴用の被害者が、新日本製鉄などの日本による植民地時代戦犯企業を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で強制徴用の損害賠償責任を最高裁判所に認められて3年目になる日だが、日本は依然として素知らぬ顔だ。2018年10月30日、同判決に反発し日本政府が輸出規制などの報復措置を取り、その後、韓日関係は回復の兆しを見せていない。東京大駒場キャンパス研究室で28日に会った外村大(とのむらまさる)教授はこれに関し「歴史問題を根底に悪化した韓日関係は簡単には解決しないだろう」と明らかにした。

日本人として日本による植民地時代強制徴用を扱った本「朝鮮人強制連行」を書いた外村教授は「(日本が強制徴用事実を認めないのは)日本人のアイデンティティの問題だ」と指摘した。 彼は「(日本は強制徴用被害に対する)数多くの資料があるにもかかわらず、歴史的事実を認めないことを超えて、認めたがらないか無視する」とし「アジア諸国の中で日本人が1位という優越意識があるため」と分析した。続いて「日本が何がそんなに優秀で立派なのか見れば根拠がない。国内総生産GDP)が高いとか、経済大国だから優秀だとも言えるが、すでにそれは中国に追い越されており、韓国が追いついている」と指摘した。

外村教授は「(日本が強制徴用の歴史を認めないのは)結局、韓国に負けたくないということだ」とし「私たちの首相が慰安婦おばあさんたちに謝罪しなければならないという言及が韓国から出れば、『なぜそんなことをしなければならないのか』と反発するのもこうした脈絡から出たものだ」と説明した。

(中略)

被害者(外村教授は日本政府が使う表現である徴用工が適切でないとして、動員被害者と呼ぶ)の種類だけでも多様である上、三菱か三井か、どの企業で徴用されたのか、福岡県か佐賀県か、どの地域で徴用されたのかも分からず、証拠もない被害者もいると述べた。また「(3年前の裁判結果などで)判決がすべての被害者に適用されるわけではない。 そのため全体を救済することは容易ではない」と述べた。

外村教授は韓国政府が掲げる「被害者中心主義」が何なのかを正確に整理する必要もあると述べた。「被害者中心主義が正しいことは知っている。ただ、被害者が何を望んでいるかはよく分からない。日本の謝罪がどのような形であるべきかなど、具体的な要求が必要だ」と述べた。

(後略)

ソウル新聞「“日, 韓에 지기 싫어 역사 무시… 강제징용 사과·배상 어려울 것”(「日、韓に負けたくなくて歴史無視...強制徴用謝罪・賠償は難しい」)」より一部抜粋

後半はともかく、前半の理屈はすごいですね。
日韓関係の悪化は「徴用工訴訟の賠償判決に対する日本の報復」、韓国側の見解は前提がコレになっています。なので、そこについては今更という感じです。

が、その上で日本が徴用問題を認めないのは「アジアで最も優れた国である日本が徴用問題で非を認めると、韓国に負けたことになる」と。
韓国がよく言う「道徳的優位」を言い換えた形だとは思うのですけれど、日韓請求権協定という歴史を無視しているのは一体どちらなのでしょう?