韓国の地方裁判所で韓国政府が進めている「第3者返済」の供託申請が相次いで不受理となっています。韓国政府は異議を提起しているようですが、裁判所側は「異議の理由が無い」として突っぱねています。
アジア経済の記事からです。
日帝強制徴用「賠償金供託」、裁判所で相次いで拒否...政府の苦肉策、水泡になる可能性も
強制徴用被害者、または遺族を対象とした政府の「第3者返済供託」を地方裁判所が相次いで拒否し、賠償金を巡る葛藤が深刻化している。
（中略）
19日、法曹界によると、政府は「第3者返済供託」を通じて強制徴用被害者の賠償金問題を解決しようとするが、裁判所は当事者の同意なしには供託を受け入れることが出来ないという立場であり、裁判を通じて政府の第3者返済供託が適法か否かが決まる見通しだ。
（中略）
韓国政府は第3者である行政安全部傘下の「日帝強制動員被害者支援団体」を設立し、強制徴用被害者、または遺族に損害賠償金を優先支給した後、債務者である日本企業に求償金を請求して返してもらうという腹案を立てた。しかし一転、裁判所が政府の賠償金供託を受け入れなかったことで計画は暗礁に乗り上げている。
この日基準で光州地方裁判所、水原地裁平沢支院・安山支院などは、政府が申請した供託10件中8件を拒否した。強制徴用被害者、または遺族が第3者返済供託を受け取らない、といったのが理由だ。政府は裁判所に異議を提起したが、裁判所は再度「異議心性の理由が無い」と判断した。
（中略）
政府は強制徴用被害者、または遺族が直接返済を拒否するだけに裁判所供託が必要だと主張し、裁判所は当事者の第3者供託拒否意思が明らかなため供託を受けることができないと対抗している。
問題は、第3者の債務返済と関連した民法条項に対して裁判所が一度も法理的な解釈や判断を下したことがないという点だ。結局、裁判では当事者の意思表示で第3者返済を拒否できるのか、強制徴用被害者に賠償金を直接支払わなければならない日本戦犯企業の代わりに第3者である韓国政府が被害者に代わり返済する資格があるのかなどが争点だ。
（後略）
アジア経済「일제 강제징용 '배상금 공탁' 법원서 줄줄이 거부… 정부 고육책 물거품 될 수도（日帝強制徴用「賠償金供託」、裁判所で相次いで拒否...政府の苦肉策、水泡になる可能性も）」より一部抜粋
「日本企業に求償金を請求して返してもらうという腹案」...またなんか勝手なことが書かれていますが、第三者返済案を推進していたときに韓国政府は「求償権を行使しない」とはっきり言っています。（実際、そのときになればどうなるかは分かりませんが）少なくとも現時点で「返してもらう」を決定事項であるかのように書くのはどうかと思います。
供託の手続きが滞っている裏で、「被害者支援」を名目に市民団体が主導している募金額が3億ウォンを超えたそうです。
プレシアンの記事からです。
強制動員被害者の権利を無くそうとする政府の供託が妨げられている間に市民募金が3億ウォンを超える
（前略）
「歴史正義と平和な韓日関係のための共同行動」は18日、報道資料を通じて「政府の第3者返済に反発し、判決金受領を拒否している強制動員被害者を応援するための『歴史正義のための市民募金』が募金運動19日で3億ウォンを突破した」と明らかにした。彼らは18日12時現在、募金に4845人が参加しており、約3億558万ウォンが集まったと伝えた。
今回の募金運動は政府の強制動員解決策を拒否する被害者に、政府の代わりに賠償金を支給するために設けられた。
（中略）
6月29日に始まった募金は政府が被告人日本企業に対する被害者の債権を消滅させるために第3者返済供託を実施した3日以後急増した。当時、彼らは供託が発表された後の3日午後6時から18時間で1193件、4885万2966ウォンの義援金が受け付けられたと明らかにし、募金5日後の4日に1億ウォンを、6日には2億ウォンを突破したことがあると伝えた。
彼らは「被害者および遺族に支援するための募金目標額は10億ウォン」とし「8月15日前後に1次被害者に支給される予定」と明らかにした。
（後略）
プレシアン「강제동원 피해자 권리 없애려는 정부 공탁 가로막힌 사이 시민모금 3억원 넘겨（強制動員被害者の権利を無くそうとする政府の供託が妨げられている間に市民募金が3億ウォンを超える）」より一部抜粋
この動き、何かに似ているなぁと思ったら、かつて慰安婦合意のときに日本が「和解・癒し財団」に拠出した10億円からの支給金を「受け取らない」ことを条件に同額を正義連が支給したことを思い出しました。なんか似てませんか？
しかし、正義記憶連帯と言い、今回の「歴史正義と平和な韓日関係のための共同行動」と言い、韓国人ってやたらと「正義」が好きですよね。韓国では「正義」を立証した側（論理的にとは言っていない）が絶対的に正しいということになりますから、恐らくそのために「我こそ正義」とすぐ名乗りたがるのでしょうね。名が体を表しているかどうかはともかく。
フィクションは別として、現実において安易に「正義」を名乗る人たちを、私はあまり信用できません。
