極論ではありますが「日本が竹島を口実に再び朝鮮半島進出を狙っている」との主張がありました。
極論ではありますが、韓国の言論界において「日本は大陸への野心を捨てていない」はデファクトスタンダードです。
もちろん、この「日本の半島進出論」は極論ではあります。大部分の韓国人がこんな考えだとは思いませんけれど、一部極端な人がこうした極論を持っていることは確かなようです。そういう人はスタートが極論から始まるので結論も極論に至ります。
中部日報の記事からです。
［文化プラス］戦争の種、独島領土？
日本は独島領土問題を口実に、再び韓半島進出を狙っている。壬辰倭乱以後、日清戦争、日露戦争を経て韓半島を植民地支配したその時を忘れられず、第二の韓半島領土化を夢見ている。その足場を独島にして絵を描いている。
（中略）
南北間の戦争がまだ終わっていないのに21世紀が始まった最近、日本は自国固有の領土である独島を韓国が不法占有しているとして韓国を圧迫し、国際社会での世論を形成している。
日本は独島について1905年1月28日の日本閣議で国際法上の無治州先取決議の公表や1946年の連合国最高司令官指令第677号に独島が韓国領土として記載されなかった点、1951年のサンフランシスコ講和条約に独島が明示されなかった点などを上げ、安倍元首相らが日本領土と主張している。
これに対し極右団体と日本議会の多数の議員が同調、また中学校の教科書を歪曲し、国民をそそのかしている。それについて内藤征爾教授、山辺健太郎歴史学者、梶村秀樹教授、堀馨一教授、池内慧教授、保坂祐司教授らが、独島は韓国領土であると述べている。また1874年に太政官が発行した日本地理書『地誌提要』などに、独島は韓国の領土であることが明白であると記録されている。
鬱陵島と独島は日本が無治州を先取りしたという1905年より1393年早い512年の新羅智證王の時から韓国の領土だった。1432年の世宗実録地理誌、1481年の東国輿地勝覧、1531年の新増東国輿地勝覧、1808年の万機要覧群青編、フランス地理学者ジャン·バプティスト·ブルギニョン·ダンビルが描いた「朝鮮王国全図」、1667年の日本官撰の「隠州視聴合記」、1785年に日本の実学者の林子平が編纂した「三国通覧輿地路程全図」に、独島は韓国の領土であることが明白に表れている。
そのような一連の証拠などから独島は韓国領土であることが明白だ。にもかかわらず、日本が独島を韓国が不法占拠していると主張していることから、それを口実にいつかは戦争を起こすことは明白だ。安倍元首相がその始まりを知らせてきた。韓国国民は独島が日本と戦争の種であることをはっきり認識しなければならない。ややもすれば「第2の桂-タフト密約」になるのではないか。その点について政治家をはじめ国民は力を合わせて国力を極大化し、日本などどの国も韓国を狙うことができないようにしなければならない。 この点については北韓も留意しなければならない。
中部日報「[문화더하기] 전쟁의 씨앗 독도영토분쟁?（［文化プラス］戦争の種、独島領土？）」より一部抜粋
そもそも論として、日本が半島を支配するメリットは何かあるのでしょうか？韓国人の中には「日本人は災害の多い島国から脱出したいと考えている」と本気で言う人がいますけれど、阪神大震災にしろ熊本地震にしろ東日本大震災にしろ、被災者の大部分は地元に留まる、あるいは戻りたがります。島国という点について特に引け目も持っていませんしね。
基本的に日本人は自然を、災害も含めて「共存すべきもの」と捉えている人が多く、これは自分に都合の良い環境に移住する遊牧民的発想ではなく、土地に着く定住民的発想から来るもののように思えます。
つくづく韓国人とは考え方が違うな、と感じる部分です。（良い／悪いの話じゃないですよ）
記事中では随分遡って「韓国の領土」の正当性を主張していますけれど、韓国の建国は1948年...臨時政府を認めたとしても1919年、清からの独立を起源としたとしても1897年なので、それ以前の資料を持ち出して「韓国の領土」と言われても「韓国」なんて国はそのころありませんけど？と言いたくなります。
まあ、そんなイジワルを言わなくても、この人が「証拠」と上げているもののうちで本当に竹島について記述されている資料がどれほどあるのか疑問ですけど。
今月は「竹島の日（2月22日＝ネコの日）」があるのでこの辺りの資料についても紹介できればと思います。
しかし韓国の竹島絡みの記事でズルいな、といつも思うのは「壬辰倭乱」がどうとか「植民地支配」がこうとか本筋と関係ない話は細かく持ち出すのに、「いかにして韓国が実効支配するに至ったか」という直接的な話を避けるところです。
竹島について大声で主張することからも分かるように、手口に後ろめたいところがあるんでしょうね。
