日米韓外相会談の話

12日にハワイで日米韓外相会談を行うと米国務省が発表しました。対北政策などについて意見を交換するとのことなんですが、なんでこのタイミングなんでしょう?韓国では間もなく大統領選挙が実施され、現政権の残り任期は3ヶ月ほどだというのに。
5月の新政権発足を待っていては北に対するメッセージとしては時期が遅すぎるということでしょうか?韓国の参加は「韓米同盟」の象徴的な意味ということかもしれません。

この機に日韓外相会談も実施される方向で検討が進んでいるそうです。外務省幹部によると、日米韓で会談をやる場合はそれぞれ二国間会議もセットでやるのが普通、とのことです。
日米韓外相会談の主要議題は「対北朝鮮」ですけれども日韓となると今は「佐渡金山」が一番注目される話題でしょう。

 

 

聯合ニュースの記事からです。

韓国に背を向けていた日本、佐渡鉱山問題で対話政略に急旋回


(前略)

日本政府は日帝強占期の徴用被害者賠償問題と関連し、日本企業の責任を認めた2018年10月の韓国最高裁判決が出た後、事実上対話を回避する「無視戦略」で一貫した。
このような態度は慰安婦被害者が日本政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟でもソウル中央地裁が昨年1月、原告側の手を挙げたことで固着した。

(中略)

このような状況で日本政府は12日、ハワイ・ホノルルで北韓弾道ミサイル対策などを話し合う場で行われる韓米日外相会談の際、韓日2国間会談の開催を望んでおり注目される。
韓国政府はこれまで「対話を通じて歴史問題を解決する」という原則を明らかにしてきただけにしてきただけに日本が今回2国間会談を要請すれば実現する可能性が高い。
産経新聞は6日、日本政府が韓国との対話に積極的な姿勢に転換しているとし、林芳正外相が12日、韓米日外相会談に合わせて韓日両者の会談に合わせて韓日両者会談の開催を検討中だと伝えた。

(中略)

彼は就任後、米国、豪州、インド、欧州の主要国家とは活発に電話会談もしたが、チョン長官との通話は避けてきた。

しかし今月3日にチョン長官に電話会談を要請し、初の電話会談を開くなど佐渡鉱山問題が浮上してからははっきりと違う態度を示している。
林外相は4日の記者会見でチョン長官との初の電話会談内容を説明し、佐渡鉱山問題について「冷静かつ丁寧な議論を進める考えてあり、韓国側とも誠実に議論していく」と述べた。

(中略)

日本政府がこれまで避けてきた「韓国との対話」を急に重視する態度に変わったのは韓国政府が了解せずに日帝強占期の朝鮮人強制労働現場である佐渡鉱山をユネスコ世界文化遺産に認定されるのは事実上難しいと判断したからだ。

(中略)

しかし与党自民党の内部では韓国大統領選挙を控えた状況でこのような日本政府の変化に反対する声が出ている。
極右保守派とされる佐藤正久自民党外交部会長は5日、自身のツイッターを通じ、現時点で韓日両者の会談は「日本の国益上マイナス」とし、会談するにしても韓国の大統領選挙後に延ばすべきだ、という趣旨の主張をした。

産経新聞は日本側が二国間会談を避ければ佐渡鉱山問題について「うしろめたさの表れ」という韓国の反攻を受けることもある得ると懸念した。



聯合ニュース「한국 외면하던 日, 사도광산 불거지자 대화전략으로 급선회(韓国に背を向けていた日本、佐渡鉱山問題で対話政略に急旋回)」より一部抜粋

「ほら、韓国はなにもしなくても日本の方から折れる」と、言いたげな感じですねぇ。
「対話を通じて歴史問題を解決する」と強調しているあたり、なんとなくですけど「韓国はどっしり構えて対話の窓はいつでも開いていた」という自己認識なんだろうと思います。
私の目に見えていたのは、なんとかして日本政府関係者と会談しようとアプローチを掛けていた姿なんですが。

 

しかし日本側は下手だなぁと思ってしまいます。
ユネスコに向けた「対話姿勢」のアピール演出かもしれませんけれど、これまでの韓国のやり方を見ていれば「会った」という事実だけで宣伝に利用するのは分かりきっていることですからねぇ。(「反攻」と訳した部分は産経の記事では「宣伝」となっている)

後は記事でもそうですし、佐藤さんもそうなんですけど、「ユネスコ文化遺産登録申請」と「徴用訴訟(国際法違反状態)」「慰安婦訴訟」「輸出管理強化」を混同させないことです。
「強制労働の虚構」という意味ではザックリ繋がっているものもありますが、議題としては完全別個のものである、という態度をはっきりさせておいたほうが良いんじゃないでしょうか?