先日、ワシントンD.Cで「上の人呼んで来て」と行われた次官級会談に引き続き、「もっと上の人呼んで来て」で外相会談が行われました。
しかし時間はわずか35分だったそうです。
次官級会談は2時間半と予定を大幅に超過しても「進展なし」でした。それと比較すると35分とは非常に短時間です。単純にそれぞれの持ち時間は半分の17分を超えないと思います。通訳もありますから多く見積もっても12~3分でしょうか。入室・退出・定型挨拶を除けば本題は7~8分になるかもしれません。これだと現状の確認とお互いの意思確認くらいしかできません。
当然、「進展なし」です。まあ、そうでしょうね、という感じ。
ハンギョレの記事からです。
韓日外相会談...「強制動員の政治的決断が残った」というが、見通しは曇り
パク・ジン外交部長官と林芳正日本外相は18日(現地時間)、ドイツで会い強制動員賠償問題について話し合ったが、意見の相違を縮めることはできなかった。両国が戦犯企業の賠償参加と謝罪という最後の懸案を巡って神経戦を続けている様子だ。
パク長官は同日、ミュンヘン安保会議が開かれたバイリッシャーホフホテルで韓日外相会談後、「日本側の謝罪と加害戦犯企業の賠償参加問題を指摘したか」という取材陣の質問に対し「私たちができる(すべての)話をした」、「非常に率直な対話をした」と述べた。パク長官は「日本側で誠意ある呼応のための政治的決断が必要だ」とし「立場は互いに理解したので政治的決断だけ下せば良い」と話した。「日本側の誠意ある呼応」とは日本戦犯企業(日本製鉄・三菱重工業)の賠償参加と謝罪を指すものと見られる。
(中略)
しかし日本は依然として否定的だ。同日の会談後も林外相は取材陣の質問に何の答えもせずに会談場を離れた。日本外務省もこの日、資料を出し「昨年11月の韓日首脳会談時、両首脳が早期解決を図ることで再度合意したことにより旧韓半島出身労働者問題(強制動員被害問題)を含む韓日関係全般に対して率直な意見を交換した」とだけ明らかにした。
(後略)
ハンギョレ「한-일 외교장관 회담…“강제동원 정치적 결단 남았다”지만 전망은 흐릿(韓日外相会談...「強制動員の政治的決断が残った」というが、見通しは曇り)」より一部抜粋
最初に強調した部分、「戦犯企業の賠償参加と謝罪という最後の懸案を巡って」ですけど、日本側の「最初の懸案」である「国際法違反是正」はいつ解消されたのでしょう?
「お互いの立場はよく分かった。あとは決めるだけ」って、ようするに「言い分」を聞いただけで条件のすり合わせは何もせず「要望は聞いたから後は契約書にサインするだけ」みたいなこと言ってませんか?この人
しかも「政治的判断」は「日本側の問題」のような言いっぷりですよね。
被害者団体は「謝罪なしには納得しない」と言っています。日本企業の「賠償参加なしには納得しない」と言っています。
この構図、ずーっと変わってません。韓国政府が日本側の「決断に掛かっている」とする態度もずーっと変わってません。
意思決定を全部「他者の手」に丸投げしてるって自覚ってあるんでしょうか?
5月の広島サミットは韓国側が提示する解決策を見てから招待するか検討する、というような説が報じられたことがあります。
日本政府の公式意見としての発表では無かったと思いますけど、サミットに招待するからには日韓首脳会談が前提となるでしょう。首脳会談については解決策に一定の見通しが立ってから、というのが公式だったと思いますので、事実上、「(韓国側の)解決策の提示」→「(日本側の)一定の評価」→「広島招待」→「日韓首脳会談」が規定の流れになっていると思うんですが...このままじゃ時間切れになりそうです。別に私は困りませんけど。