日本の輸出管理強化から3年、韓国の国産化成果品目は「25品目」という話

日本の輸出管理強化(あちらでいう輸出規制)から約3年、韓国は素材・部品・装備の対日本依存度を下げるべく国産化の研究開発を進めています。
最初こそ「国産化成功」と連日メディアが騒いでいましたが、最近とんと聞きません。国産化したものにしても、実用化されているのかも分かりません。

ですが韓国政府が予算を掛けて研究開発に補助金を出している以上、ある程度の報告書はあがってきます。それによると成果品目は「25品目」だそうです。これが多いのか少ないのかは意見が分かれそうですが、予定よりは遅れているようです。

 



ソウル経済の記事からです。

「素材・部品・装備国産化」成果品目25品目だけ....政府支援の偏り現象も


(前略)

25日、国会予算政策処の「2021会計年度決算報告書」によると、100大核心戦略品目で政府が事業化を支援した課題173件のうち実際に売上が発生し成果が出た品目は25件だった。素材部品技術開発事業の成果発生率が14.5%に過ぎないわけだ。2020年までに素材部品技術開発事業で発生した売上高は計938億900万ウォンと集計された。

(中略)

政府の研究開発(R&D)支援も上位品目に集中していることが分かった。昨年基準で政府出損金上位30品目が全体出損金の77.3%を占めた。特に品目別出損金が100億ウォン以上の6品目に1297億5500万ウォンが集中した。

(中略)

ただ、現時点で素材・部品・装備の国産化の事業成果を計算するには時期尚早という見方もある。通常、国家R&Dで事業化成果を出すまでには4〜5年かかるためだ。産業部関係者は「2019年7月、日本の輸出規制により素材・部品・装備の国産化を支援するための補正予算を初めて編成し、2020年の本予算から本格的な支援が始まった」として「まだR&Dを進行中の新規課題も多いだけに2〜3年後に事業化成果を評価することが正当だ」と説明した。

(後略)



ソウル経済「'소부장 국산화' 성과 품목 25개뿐…정부 지원 쏠림 현상도(「素材・部品・装備国産化」成果品目25品目だけ....政府支援の偏り現象も)」より一部抜粋

2021会計年度決算報告書って部ごとに沢山出ているんですけど、恐らく産業通商資源中小ベンチャー企業委員会が出したもの(こちら)からのデータ引用だと思います。
「100大核心戦略品目」と言っていますが、その具体的な中身は「他の国で該当品目の価格を高めるなどの措置を取り、国内企業が被害を受ける恐れがあるという懸念」から公表されていません。
ただ2019年7月以降始まったこの取り組み、資料によると1年以内に20品目、5年以内に80品目を目指していたようです。それが丸3年経って実現したのは25品目。そのため記事の題は「25品目だけ」になっています。
また成功したという25品目にしても、そもそも品目が非公開なので何か分かりません。(資料をザッと見たけど多分書いてないと思う)
成果の基準も「売上が発生した」です。(具体的な金額が書かれているのか未確認)そのため継続利用されているのか分かりません。

2019年に31.4%あった日本依存度は24.9%まで下がったとされていますが、日本国外の生産拠点から迂回輸入することで見た目の日本依存度を下げていることは既知のことです。実際の国産化がどの程度成功しているのか、本当のところは誰も把握していないのかもしれません。