米韓財務省長官会合「緊密に協力する準備ができている」とするものの、今回も通貨スワップは無しの話

米国と韓国の財務長官が昨日会合を開きました。
今回も通貨スワップはありません。韓国メディアの報道しか見ていませんけれども、今まで同様「緊密に協力する準備ができている」ことを確認したそうです。

 



聯合ニュースの記事からです。

韓米財務長官「金融不安が深刻化すれば流動性供給が準備されている」


(前略)

1日、企画財政部によるとチュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官は韓国時間で前日の午後8時、ジャネット・イエレン米財務長官とカンファレンスコールを通じてグローバル経済動向や外国為替市場協力、米インフレ削減法(IRA)、ロシア原油価格上限制などについて話し合った。

チュ副総理は「緊縮的なグローバル金融環境が韓国経済に少なからぬ負担として作用している」として「両国が最近、金融・外国為替市場動向を綿密に点検し、外国為替市場関連の協力を強化しなければならない」と話した。
チュ副総理とイエレン長官は「急激なウォン安にも関わらず、韓国経済は良好な外貨流動性状況、十分な外貨保有高などに支えられ依然として堅調な対外健全性を維持している」と評価した。

両長官は韓国を含む主要国の流動性梗塞の拡散で金融不安が深刻化するなど、必要な場合には流動性供給措置を実行するために両国が緊密に協力する準備ができていることを確認し、関連議論を持続することにした、と企画財政部が伝えた。

これに先立ち、チェ・サンモク経済首席も最近ブリーフィングで「通貨スワップも両国当局間協議の対象となる流動性供給装置に含まれる」と話したことがある。

(後略)



聯合ニュース「한미 재무장관 "금융불안 심화시 유동성 공급 준비돼 있다"(韓米財務長官「金融不安が深刻化すれば流動性供給が準備されている」)」より一部抜粋

韓国側の「外国為替市場関連の協力を強化しなければならない」は言い換えれば「スワップ結んでちょうだい」なんでしょうが「まだ大丈夫っしょ」と躱されたようです。
韓国的には流動性スワップは通貨防衛に使えなくとも市中銀行のドル不足懸念は拭えますから意味はありますが、米国は流動性に懸念が出てからでも十分間に合いますからね。

今回の会合は米国側から要請があったそうです。その割に通貨スワップについてはあっさり躱しましたので、米国の本命はそこではなくロシア原油価格の上限制でしょう。



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「前もってスワップをしておけとミョンバクのように情けないことを言わないで」(共感131 非共感34)

「結果を持ってきてちょっと話をしてくれ」(共感51 非共感3)

「米国だけバカのように固く信じて転落した国が一つや二つではない。幸福回路を回し続けろ」(共感23 非共感4)

「幸福回路」の元ネタは「ローゼンメイデン」の「翠星石(すいせいせき)」だそうです。全く知識がないのですが...ナムウィキの解説によると、「深刻な苦痛に追い込まれた際、その状況で思い浮かぶ最も幸福な妄想に縋り、しばらく痛みを忘れストレスで崩壊するのを防ぐ」システム(?)のことを「幸福回路」と呼んでいるようです。
そこから派生してネット上でミーム化し「幸せな未来を妄想する」という意味で使われるらしいです。認知的不協和と希望的観測のハイブリッド病みバージョンみたいな感じでしょうか?