4月のケリーさん訪韓時に「ワクチンスワップ」について「米国と真剣に協議している」と言っていた外交部長官のチョン・ウィヨンさん。米韓首脳会談以降、この「ワクチンスワップ」という用語自体聞かなくなりましたけれど、ここにきて「米国側は交渉の初期から難色を示していた」と言い出しました。
あれだけ「真剣に協議中」、「集中的に話し合った」と好感触で間もなくまとまる、と言わんばかりだったのに(しかもそれをメディアに流したのに)実は初めから実現の可能性は低かった、と今更言い出したわけです。
マネートゥデイの記事からです。
チョン・ウィヨン「『ワクチンスワップ』米国は非常に難しいとした」
チョン・ウィヨン外交部長官が米国政府が韓国軍55万人を対象にコロナ19ワクチンを支援する理由について「ワクチンの供給は韓米演習のためではない」と述べた。いわゆる「ワクチンスワップ」については米国側が交渉書紀から難色を示したという裏事情にも言及した。
チョン長官は28日、国会の外交部統一委員会全体会議に出席し「韓国政府がコロナ19を理由に韓米演習を行わないと言うので米国がワクチンを提供することにしたのではないか」というキム・ソクキ国民の力議員の質問にこのように答えた。チョン長官は「(ワクチン支援と韓米連合軍事訓練は)別途」とし「訓練規模・方式などは(両国の)軍事当局間協議を通じて決定される」と述べた。
(中略)
チョン長官は今回の韓米首脳会談で「ワクチンスワップ」が不発に終わったことについて「米国も当初から非常に難しいという立場を明らかにしていた」と述べた。チョン長官は米国が韓国を防疫模範国と見ており、支援の名分が弱かったことも説明した。
(後略)
マネートゥデイ「정의용, '백신 스와프' "美가 처음부터 매우 어렵다 했다"(チョン・ウィヨン「『ワクチンスワップ』米国は非常に難しいとした」)」より一部抜粋
名分が無い中で韓国軍に対して55万人分の支援を引き出した事を米韓首脳会談の「成果」と言いたいのかもしれません。また、引用文からは省きましたが委託生産(とは名ばかりのパッケージ業務)を請け負うことで韓国内で生産(包装)したワクチンを優先的に韓国民に提供出来るよう米国から了承を得ているそうです。
でもこれ、ちょっと意地悪な言い方させてもらうと、ワクチンを製薬会社から買って使うか、ワクチンの原液を製薬会社から買って包装して使うかの違いじゃないですか...?
まあ、ただ一つ確実に言えることは韓国軍のワクチン接種(vaccinated)が進めばコロナ感染リスクは低下するということですね。
ワクチン提供が軍事演習を見据えていようがいまいが「コロナ」を理由に軍事演習縮小を主張できなくなることは間違いないでしょう。
北朝鮮から交渉に前向きな態度を引き出せなければ「北朝鮮を刺激しない」という理由付けも難しくなるかもしれません。