韓国内スマホシェア、3ヶ月でiPhone27%→34%、サムスン66%→58%という話

韓国でiPhoneが急激にシェアを拡大しているという調査結果が出ました。逆にサムスンはシェアを落としています。
iPhoneの場合、6月に27%程度だったシェアが9月には34%、サムスンは6月に66%あったシェアが9月には58%となっています。数字だけ見ると、サムスンシェアがほぼiPhoneに流れたように見えます。
韓国でiPhoneのシェアが30%を超えるのは初めて、サムスンのシェアが50%台に落ちるのも初めてだそうです。
記事はこれをGOS問題などサムスン内部のゴタゴタによる反射利益をAppleが得たと見ているようですが、それ以前から予兆はあったように思います。

 



韓国経済の記事からです。

「3人に1人はアイフォン」...「サムスンのお膝元」韓国で反転したアイフォン


(前略)

4日、トラフィック分析サイトのスタットカウンターによると、9月基準での国内スマートフォン市場でアップルのシェアは34.1%と集計された。スタットカウンターはインターネットトラフィックを基盤の運営体制(OS)のシェアを測定する業者だ。

韓国市場でのアップルの立場は今年下半期に入って急激に拡大している。スタットカウンターによると、今年のアップルのシェアは△6月 27.28%△7月 29.45%△8月 32.97%△9月 34.1%と上昇し続けている。

反面、国内スマートフォン市場1位のサムスン電子のシェアは下向き曲線を描いている。同期間のデータを見ると、サムスン電子のシェアは△6月 66.11%△7月 63.98%△8月 59.47%△9月 58.38%まで下がった。サムスン電子のシェアが60%以下に落ちたのは今回が初めてだ。

これまでアップルは韓国市場でのシェア拡大に苦労してきた。2010年後半まではアップルのシェアは10%台だった。昨年に入ってLG電子のモバイル事業撤退と相まってシェアが初めて20%台を突破した。ただし過去数年間60~70%台前後のシェアを安定的に守ってきたサムスン電子はそれ以上の追撃は許さなかった。

ただ、今年下半期に入って状況が反転したものと分析される。アップルのシェアが30%を超えるのは今回が初めてだ。業界はサムスン電子が今年初めにGOS(ゲーム最適化サービス)などの事態を経て状況が悪化する間にアップルが旧型iPhoneシリーズの移動通信会社公示支援金を相次いで引き上げたのが功を奏したものと分析する。

業界は新製品である「iPhone14」シリーズの発売効果が反映される第4四半期はアップルの占有率がより一層大きくなると見通した。

(後略)



韓国経済「"3명 중 1명은 아이폰"…'삼성 텃밭' 한국서 반전 쓴 애플 [배성수의 다다IT선]」より一部抜粋

移動通信会社公示支援金とは各キャリアで端末購入時に受けられる割引のことです。
Appleが公示支援金を引き上げたとしていますが、それでもサムスンの二つ折りスマフォの1/3水準だそうです。(iPhone=最低5万ウォン~最大24万ウォン、サムスン・ギャラクシーZフォールド4・フリップ4=最低15万6000ウォン~65万ウォン)

サムスンがGOS問題で足首を掴まれている間に代わりにアップルが抜け出た、記事の分析趣旨はこう読めます。上にいくためには人が失敗した隙をつく思考が染みついています。
それならGOS問題がなければサムスンシェアは減らなかったということになりますが、本当にそうでしょうか?

「アジェポン(아재폰)」という言葉があります。「おっさんケータイ」みたいなニュアンスだと思ってください。
Naverで検索したところ、2016年が一番古い記事でした。このときのは天気・ニュースアプリが多い=「おっさんケータイ」という定義でした。(若者=漫画・写真アプリが多い)
これが20年代になるとサムスンスマホ=「アジェポン」のイメージになります。これは2010年頃のサムスンスマホのイメージが影響しているものと思われます。
2010年頃のサムスンスマホのイメージは「30代の大企業のエリート男性社員が使っている」だったそうです。(iPhone若い女性デザイナー)
このイメージがそのまま10年の年齢を重ねた結果、「おっさんケータイ」の代名詞となってしまったようです。そもそもが「30代の大企業のエリート男性社員が使っている」では元から「若いオシャレ」なイメージからは程遠かったですから余計かもしれません。

その結果、今年6月にギャロップが18歳以上のスマホユーザー1000人を対象に行った調査によると、18~29歳の「若者」世代は53%がiPhoneユーザーでした(ギャラクシー=42%)。30代はiPhone39%、ギャラクシー54%。40代はiPhone20%、ギャラクシー69%。50代はiPhone8%、ギャラクシー79%。60代はiPhone4%、ギャラクシー78%。(参考記事=ヘラルド経済
と、このように名実共に「おっさんケータイ」の地位を確かなものにしています。これがGOS問題だけの影響でしょうか?(学生は親に買い与えられたスマホiPhoneじゃないと「イジめられる」という話も)



記事へのコメントは684件。反応は「良い情報:43 興味深い:6 非常に共感:16 良い分析:1 続報期待:3」です。

「GOSで欺瞞して買えばすぐ出庫価格が下がり、エントリーモデル、ハイエンドモデルの区分も明確ではないので百万ウォン以上のものを買ったが、エントリーモデルと区分が...同じ感じ。iPhoneに駄目なことがあってギャラクシーのAndroidを使ってるんだけど、だんだんギャラクシーも駄目になって、じゃあどうしてギャラクシーを使うのか?SDカードのせいでギャラクシー10から変えられないんだけど、ダムフォン*1iPhoneを考え中。折りたたみ?なんのために折りたたむのかまだ全然分からない。折りたためるから折りたたむ必要があり、折りたたみにピンとこない」(共感724 非共感195)

「一つだけハッキリ言えば、アップルがうまくやって占有率が増えたのではなく、サムスンが気に入らないからアップルの占有率が増えているのだ、その上マスコミが徹底的にサムスン称賛だけをしているところなのに占有率が下がるほど信頼を失ったということは本当に深刻にゴミをまき散らしたという話だ」(共感573 非共感140)

サムスンが生きてこそ韓国の未来もある。しっかりしろ」(共感897 非共感532)

「M2 Macbook Air + iPhone + iPadmini + アップルウォッチまでアプリなどある。そこにおまけにギャラクシータブs7+があるんですね...人々はソフトウェアの違いを言いますが、ソフトウェアはギャラクシーの方がよくなりました。最近アップデートされたギャラクシータブの使いやすさを見ると話しにならないほど良いです...ただ、サムスンの物は買ったら価格防御が出来ないのが一番大きな問題です。定価で買ったのに後で雨後の筍のように割引なんて...アフター―サポートであるバージョンアップも1回よりもっと増やさなければならないのではないかと思います。iPhoneはまだiPhone8のアップデートをサポートしてくれるじゃないですか」(共感272 非共感72)

iPhone8以降はiOS16からですね。それまではiPhone6sもサポートされてました。
iPhone8の発売は2017年です。少なくとも機種発売から5年(iPhone6sに至っては7年)はOSアップデートが続きますのでその分リユースバリューが高くなるのもiPhoneの魅力です。
AndroidはカスタムROMという選択肢がありますが、電話機能が使えなくなりますからね。



*1:通話専用機