孫さんと李さんの面談、「包括的な協力」について議論するもARM売却に関しては具体的な話は一切無しの話

ソフトバンクの孫さんとサムスンのイ・ジェヨンさんが会いましたがARM売却についての具体的な話は一切なかったようです。
前に朝鮮日報が関連記事で財界人の話として「二人(※イ・ジェヨンさんと孫さん)が会ってみれば分かるがメディアが推測するように、何か意味のある大きな議論がなされる可能性は低く思える」としていた通りの結果となりました。

 



ニュース1の記事からです。

イ・ジェヨン、ソン・ジョンウィが会った...「サムスンーARM協力を議論」


(前略)

5日、財界によるとイ副会長と孫会長は前日、ソウル瑞草区のサムスン電子瑞草社屋で会合した。この席にはサムスン電子DS(半導体)部門のキョン・ギョンヒョン部門長(社長)、MX(モバイル)部門のノ・テムン部門長(社長)らサムスン側の最高経営人とARMのルネ・ハース最高経営者(CEO)らが出席したという。

これまで業界は孫会長が率いるソフトバンク筆頭株主である世界的な半導体設計企業ARMをサムスンの買収対象に挙げてきた。
このような状況でイ副会長が先月21日、欧州・中南米出張帰国の途中で「ソン・ジョンウィ・ソフトバンク会長がソウルに来るだろう。おそらくその時、(ARM買収関連の)提案をされるだろう」と述べ、サムスンのARM買収の可能性が焦眉の関心ごととして浮上した。

ブルームバーグ通信によると、孫会長も訪韓前に「今回の(ソウル)訪問に対する期待が大きい」として「サムスンとARMの戦略的協力を議論したい」と話した。

(中略)

システム半導体強化の側面でサムスンのARM買収の可能性が提起されたが、この日の席ではARM売却関連の内容は無かったと伝えられた。
孫会長はARM売却より企業公開(IPO)に重きを置いたという。米国ニューヨーク証券取引所または英国ロンドン証券取引所などに上場を検討している。

(中略)

一部では2人の出会いでソフトバンクビジョンファンドが投資したロボットまたはAI(人工知能)関連業者について議論した可能性を排除できないという観測も出ている。サムスンは未来事業としてもロボットとAIなどを挙げてきた。これに先立ち、現代自動車グループもビジョンファンドからロボット企業ボストンダイナミクスを電撃的に買収している。

財界関係者は「ARMは一つの企業が買うのは容易ではない」とし「イ副会長と孫会長もこういう所を知って売却ふぃろんをしなかっただろう」と話した。続けて「サムスンの場合、ARMを買収しなくても協力できる方法は多い」として「他の協力方案に対する話が交わされたようだ」と付け加えた。



ニュース1「이재용·손정의 만났다…"삼성-ARM 협력 논의"(イ・ジェヨン、ソン・ジョンウィが会った...「サムスンーARM協力を議論」)」より一部抜粋

サムスン側に社長がたくさん出てきますが、これは別会社(子会社)の社長というわけじゃないと思います。聞いた話ですけど韓国の会社では一社に「社長」の肩書を持つ人が沢山いるんだそうです。大きな会社だと「社長」だけで20人なんて場合もあるとか。
なんでこんなことになるのかというと、日本の会社組織が社長や会長をトップにしたピラミッド構造であるのに対して韓国の会社はチーム制であることが多いからです。そのためチーム毎に「長」が大量発生します。部門(チーム)のトップにいる部門長が職責でいうと社長級になるようです。
これは会社文化の違いなのでどっちが良い/悪いじゃないんですけど、日本の感覚だと分かりにくい部分ですね。


ところで、記事の通りであるならば、孫さんとイ・ジェヨンさん、どちらも「売却」「買収」とは一言も述べてませんよね。イ・ジェヨンさんの発言の「ARM買収関連」は記事がカッコ書きで補っていますし...メディアが早合点して勝手に浮かれていただけのような...。