日本の半導体企業投資誘致の動きの話

G7開幕前の18日に岸田さんは総理官邸で米欧韓台白の大手半導体企業・半導体製造装置企業のトップと面会しました。面会の理由はもちろん、日本への投資を促すためです。
写真を見ましたけど、かなり異様な...というと失礼でしょうか…しかしちょっと見たことない異例の集まりになっています。

メンバーはTSMCのマーク・リュウさん、IntelのCEO、マイクロンのCEO、サムスンのCEO、アプライドマテリアルズの会長、IBMの副社長、IMECの副社長です。
この中で、米国の半導体製造装置企業のアプライドマテリアルズ以外はすでに日本企業との協力協定を結んでいたり、日本への投資計画を発表しています。
ざっとまとめると、TSMC:熊本工場建設中、2つ目の工場を検討中、Intel:日本国内に製造拠点のあるイスラエル企業を買収中、マイクロン:広島工場で先端DRAM量産計画、サムスン:神奈川県内に先端半導体R&D施設を構築、25年稼働目標、IBM:ラピダスに2nm技術供与、IMEC:ラピダスと製造技術支援協定...こんな感じです。
この件はもちろん、韓国でも報じられています。

 



ニューシースの記事からです。

TSMCサムスンに続きマイクロンも...日本、集中する半導体投資


(前略)

20日、外信および業界によると岸田総理は18日、東京総理官邸で韓国サムスン電子、台湾TSMC、米国Intel、IBMマイクロンテクノロジーアプライドマテリアルズ、ベルギー研究開発機関IMECなど7人の最高経営責任者と懇談会を開いた。

この席で岸田総理は「政府レベルで日本に対する外国人の直接投資を拡大し、半導体産業を支援するために努力する」と述べた。

これに応えるかのように、米マイクロンは最先端の半導体開発・量産のため最大5000億円(約4兆8514億ウォン)を投資すると発表した。

サムスン電子は日本の横浜に300億円(約3000億ウォン)以上を投資し、新たな先端半導体R&D施設を構築するという。

(中略)

すでに日本のソニーグループ、デンソーと共に熊本に半導体工場を建設している台湾TSMCは2番目の工場計画も公開した。

現在、TSMCは計86億ドル(約10兆6880億ウォン)を投じて熊本県菊陽町半導体工場を建設している。2024年末の稼働を目標としており、日本政府から約7460億円(約4兆5824億ウォン)の支援を受ける。

シーシー・ウェイTSMC最高経営者(CEO)は第2工場進出の重要要素として日本政府の支援を挙げ、日本政府は直ちに歓迎の立場を明らかにした。

日本は自国の半導体競争力強化にも力を入れている。日本政府が主導し主要大企業8ヵ所が参加して立ち上げた新半導体会社「ラピダス」は、今年初めに2年後に2nm(ナノメートル・10億分の1m)開発を公言したりもした。

(後略)



ニューシース「TSMC·삼성 이어 마이크론도…日 몰리는 반도체 투자(TSMC・サムスンに続きマイクロンも...日本、集中する半導体投資)」より一部抜粋

サムスンの横浜投資って少し前に日本発の記事が出たとき、サムスン本社の広報は韓国メディアの取材メールに応じていなかったような覚えがあるんですが、今回、研究開発拠点の開設について説明があったそうなので確定ですね。
元々、横浜にはサムスン日本研究所というのがありますので、そこへの追加投資という形になるのかもしれません。(どうでもいいですけど、サムスン日本研究所のHPに載っているキャッチコピーは「ずっと日本で、そして未来へ」)

記事中ではTSMCのシーシー・ウェイさんが第2工場建設にあたって日本政府の支援の重要性を指摘したことに触れていますが、これがいつ・どこでなのかが分かりません。というのも、日本に訪問して岸田さんと会ったのはマーク・リュウさんの方だからです。(記者の勘違いの可能性も微レ存)

この他にIntelは日本の素材メーカー、半導体製造装置メーカーとの連携強化の方針を示したそうです。

あと、個人的に気になる点として日本のキオクシア(旧・東芝メモリ)と米ウェスタンデジタル(WD)の合併協議(事実上、WDによる買収との見方も)の行方です。NAND型フラッシュメモリで世界シェア2位と4位の企業です。合併すればNAND型フラシュメモリではサムスンのシェアとほぼ並びます。(サムスン約35%、キオクシア+WD約33%、おまけでSK約19%)
今のところ出ている話では、営業・マーケティングをWDが担ってキオクシアが製造を担うという分業制になるそうです。ただ、まあ合併に関して各国政府の承認が下りない可能性が高いんですけどね。(どうせ身売りするならDRAM持ってるマイクロンとかどうだろう、と勝手に思っている)

記事へのコメントは16件。反応は「おすすめ:0 いいね:1 感動:0 怒り:15 悲しい:1」です。
記事の反響はあまり高くなくてコメント数、共感数共に少ないです。以下で紹介するコメントの中には「共感・非共感0」のものも含まれますが、心理というか心情というか、分かりやすかったので載せておきます。

「韓日貿易戦争で半導体素材・部品・装備で中小企業を育てておいたのに、
 ユンは日本企業と交流するというね
 日本は28年ぶりに株価が最高値を更新、その口実ときっかけを提供しているソンニョル
 国内景気指標は最悪、コスピにコスダックはヨロヨロ
 ユンが口を開けば落ちる関連株」(共感10 非共感1)

「営業マン1号は何をして脱落したの?」(共感5 非共感0)

「日本、中国の経済成長率上昇なのに、米日にお人好しに振舞うと中国輸出が滅び、経済が滅びる。
 お前たちサギ師夫婦だけが国賓待遇で拍手を受けながら写真だけ撮って歩けばいいのか?サギ師売〇奴め」(共感4 非共感1)

「中国という市場に行くのに経由地として韓国が脚光を浴びたが、それが消えると西側世界の物流が韓国や台湾から一つずつ消えるでしょう。
 そして比較的安全な日本に行きます。これは全部、米国が作った流れで、韓国大統領は米国に行ってサインしたので逃れられないのです。韓国の低迷ということ自体が」(共感1 非共感0)

「大震災で投資金を全部無くして、サルの島国に行く必要はなかったTTとなるだろう」(共感0 非共感0)

韓国政権は責めるのに、日本に投資する当事者のサムスンを責めないのはなんでなんでしょう?