韓国軍の対地帯ミサイル、1発が基地内ゴルフ場に落下...訓練についての事前発表は無かった話

4日の北朝鮮のミサイル発射を受けて米韓が地対地ミサイル4発を発射しました。
目的は北朝鮮への「対応力の誇示」だったのですが...発射されたうちの1発が軍敷地内に落ちるという事故が起こっています。前方ではなく後方に向かって飛んだようです。
幸いにも死傷者は出ていません。場所もゴルフ場であったことは不幸中の幸いでしょう。
しかし、対応力を見せつけるどころか「敵を攻撃時に25%の確率で自身もダメージを負う」スキルを披露する結果になってしまいました。
しかも事故が起こったのは午後11時という遅い時間帯。民家から700mほどしか離れていない地点で、そこからさらに数キロ離れた地点まで爆発音が届いています。行政側からは特に事故について発表はなく、周辺住民は何が起こっているのが把握できていなかったようです。

今日、北朝鮮がまたミサイルを発射してますけど、コレ完全にこの事故をバカにしにきてますよね...。

 



毎日経済の記事からです。

軍ゴルフ場に落ちたミサイル...江陵市民、恐怖の8時間


(前略)

5日、江陵市民などによると前日午後11時頃から2時間ほどウォルホピョン洞の空軍飛行場一帯で数回の爆発音とともに炎上した。ソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)やコミュニティ・カフェなどにも関連写真や映像が相次いで掲載された。消防当局にも「飛行場で爆発音がする」「飛行機が墜落したようだ」などの通報が10件余り寄せられた。消防当局は現場に出動する途中、軍部隊側から訓練中だという説明を聞いて戻った。

合同参謀本部北韓の中距離弾道ミサイル(IRBM)発射に対応し、4日夜から5日未明にかけて地対地ミサイル射撃を実施していたところ「玄武-2C」弾道ミサイルが発射直後に非正常飛行し、基地内に落ちたと明らかにした。事故ミサイルは発射直後に異常飛行し、発射地点から後方に1キロ地点の軍ゴルフ場に落ちた。追加被害は発生しなかったが、弾頭が発見された地点が近隣の民家とわずか700m離れた地点であるため、ややもすると民間人被害が発生する可能性もあったものとみられる。該当ミサイルには弾頭が装着されていたが爆発はなかった。

(中略)

江陵柳川洞に著住するチェ某さん(40)は「他地域に住んでいる知人がSNSを見て安否連絡をしてきたが、どのような状況なのか分からずよけい不安だった」とし「事故が起きたら行政当局と協力して案内メールを送るなり早く対処しなければならないのではないか」と問い詰めた。

(中略)

一部の専門家は今回の落弾事故の原因がミサイル自体の欠陥より管理上の問題かもしれないと推測した。チャン・ヨングン韓国航空大学教授は「通常、ミサイル制作後に長い時間が経てば固体推進剤に微細亀裂が発生する可能性がある」とし「(この亀裂が)不規則燃焼を誘発し、爆発を起こす可能性もある」と説明した。



毎日経済「軍골프장에 떨어진 미사일…강릉시민 공포의 8시간(軍ゴルフ場に落ちたミサイル...江陵市民、恐怖の8時間)」より一部抜粋

弾頭は爆発していないそうですから爆発音は燃料によるものでしょう。(弾頭部分は演習用のダミーウェイト?)
しかし記事の通りなら周辺住民へ訓練の有無が事前通知されていなかったことになります。事故自体も問題ではありますが、私はこっちの方が大事になるのではないかと感じます。

専門家の指摘する通り経年劣化によるトラブルであるのなら日本も他人事ではありません。ただでさえ弾薬不足だというのに、経年劣化による入れ替えまで考慮できているのでしょうか?


ところで報道によって「軍敷地内」、「ゴルフ場(フェアウェイ上)」などバラつきがありますけれど、どっちも正しいです。より正確には「韓国軍敷地内のゴルフ場」です。韓国軍はゴルフ場を経営してるんです。
「空港近隣の空き地有効活用」、「兵士のレクリエーション施設」、「体力訓練場」という名目らしいですけど今年の4月時点で少なくとも全国32ヶ所にあります。内訳は国防部所有が4ヶ所、陸軍7ヶ所、海軍5ヶ所、空軍14ヶ所、軍人共済会2ヶ所です。韓国軍ってばゴルフ好き過ぎでしょう。