今年も韓国の大学生10人中6人がすでに就職を「諦めている」という話

大学4年生および卒業者2469人を対象にしたアンケート調査で65.8%の人が事実上、就職を諦めているとの調査結果が出ました。
でも実は去年も65.3%が「事実上、求職断念」と報じられていました。2020年以前はデータが見つからなかったのですけど、もしかしたらアンケート設問の内容が変わったのかもしれません。
しかし、ここ数年の韓国の就職率を見ていると、60%台の横ばいなので当事者である学生の「体感」も毎年似たようなものなのではないかと思います。

 



ヘラルド経済の記事からです。

大学卒業者10人中6.5人は「就職を期待していない」


(前略)

全国経済人連合会は全国の大学4年生や卒業(予定)者2469人を対象に実施した「2022年大学生就職認識度調査」の結果を23日発表した。
調査結果によると現在大学4年生に在学中か、卒業した回答者の65.8%は事実上求職を断念した状態であることが分かった。

事実上の求職断念比重は求職活動の実態を尋ねる言葉に「儀礼的にしている」(31.8%)、「ほとんどしていない」(26.7%)、「休んでいる」(7.3%)と答えた比率を合わせて集計されている。求職に対する期待が無いという意味だ。
反面、積極的に求職活動をしているという回答比重は16.0%に過ぎなかった。

積極的に求職活動をしない理由としては「自身の力量、技術、知識が不足し、さらに準備するため」(49.5%)という回答が最も多かった。「求職活動をしても働き口が見つけられなさそう」(14.5%)、「専攻、または関心分野の働き口が無かったり不足しているため」(14.5%)、「適合した賃金水準や勤労条件を備えた働き口がないため」という回答も後に続いた。

(中略)

就職準備過程の困難に関しては、経歴職の選好などによる新入採用機会の減少(28.2%)、希望する勤労条件に合う良い働き口の不足(26.0%)、体験型インターンなど実務経験機会の確保困難(19.9%)という回答が最も多かった。

また、回答者が就職を希望する企業は、大企業(20.4%)、中堅企業(19.0%)、公企業(17.8%)、政府(16.2%)、中小企業(11.9%)、ベンチャー・スタートアップ(7.0%)の順と調査された。昨年の就職希望1位の公企業は今年は三番目に押し出された。

しかし、実際に就職すると予想される企業は中小企業(28.3%)、中堅企業(21.9%)、政府(14.7%)、公企業(11.1%)、ベンチャー・スタートアップ(9.0%)、大企業(7.9%)の順であり選好度と乖離があった。

(後略)



ヘラルド経済「대학 졸예자 10명 중 6.5명은 “취업 기대 안 한다”(大学卒業者10人中6.5人は「就職を期待していない」)」より一部抜粋

ここ数年の韓国の大卒就職率は、2015年67.5%、2016年67.7%、2017年66.2%、2018年67.7%、2019年67.1%、2020年65.1%...と、安定的に6割を維持しています。
今年の日本の大卒就職率が95%を超えていることを考えると「低い」と言わざるを得ません。日本の氷河期のころ(2003年)の大卒者就職率は82.1%です。リーマンショックの時(2009年度卒)はさらに悪く80.0%でした。

氷河期はともかくリーマンのときは割と就職率の回復は早かったように思いますが、韓国はコレよりさらに「悪い」状態が慢性化していることになります。
しかも本格的な経済危機が訪れていないにも関わらずです。まだ「下」があり得るとも見れますね。