ポーランド、HIMASの代わりに韓国の「天舞」を購入する話

ポーランドウクライナのお隣の国、ヨーロッパ寄りのですが、ロシアの飛び地と国境を接しています。
そのためロシアによるウクライナ侵攻は他人事ではなく、国防力増強を行っています。その一環として韓国との間で武器輸出契約を結びました。
既に契約が結ばれていたK9自走砲に続いて、多連装ロケット砲K-239「天舞」の一次輸出契約です。(物品契約が一次で、二次が運用に必要な制御システム、現地組み立て協力とのこと)

 



ニューシースの記事からです。

ハンファ・エアロスペース、ポーランドと「天武」5兆ウォン輸出契約


(前略)

ハンファエアロスペースは4日、ポーランドワルシャワポーランド政府と天舞発射台、誘導弾、長距離弾などを提供する約35億ドル(約5兆ウォン)の一次実行契約を締結したと同日明らかにした。

今回の契約には、先月19日にポーランドと結んだ基本契約を土台に輸出対象装備の数量と金額および納品時期などを具体的に確定する内容を盛り込んだ。ハンファエアロスペースはこれを受け、来年から欧州地域に初めて天舞を供給することになる。

(中略)

ハンファエアロスペースとポーランド政府は追加交渉を通じて来年末までに2回目の実行契約も締結する予定だ。
二次契約には現地防衛産業会社のWBと射撃統制システム、イェルツ(Jelcz)とは運搬用トラック、HSWとは体系組み立て分野で現地で協力するという内容が盛り込まれる予定だ。これを通じてポーランドと次世代兵器体系を開発し、第三国共同進出などの防衛産業分野の協力をさらに強化するという戦略だ。

(後略)



「한화에어로스페이스, 폴란드와 ‘천무‘ 5조원 수출 계약(ハンファ・エアロスペース、ポーランドと「天武」5兆ウォン輸出契約)」より一部抜粋

ポーランドはもともと米国産のHIMASを導入予定だったのですが、HIMASはウクライナに提供されているため納期が2025年と遅く代替品として「天舞」288基を導入することになったようです。

しかし、昨日もお伝えしたように韓国軍の訓練(一部は実践段階)で多くの兵器トラブルが発生しています。10月の射撃大会で制御不能となり空中爆発した「天弓」は「天舞」同様韓国の国産ミサイルです。
しかも「天舞」は射程(最大80km)の関係で韓国国内では射撃試験・評価試験が行えません。2018年12月4日の韓国日報の記事によると「徹底した検証システムがない」として、北との間で9.19軍事合意が結ばれたことにより武器運用や軍事訓練が制限される緩衝ゾーンが設定されたことで「天舞」を実際に撃てる射撃場が使えなくなったと伝えています。(※ここからは未確認ですが評価試験は米国に持ち込んで行ったとか)

ポーランドが切実な状況なのは分かりますが...ちょっと心配。まあ、実際に撃つことがなければそれに越したことはないのでハリボテのトラで十分なんですけどね。