今月10日時点で、韓国の累積輸出額が歴代最高値を記録した昨年の実績（6444億ドル）を突破し、2年連続で歴代最高値を更新することが確定しました。
しかし昨日発表された10月の経常収支を見ると、輸出は525億9000万ドルで1年前より6％減少し、輸入は原材料高騰の影響で8.5%増加の540億7000万ドル。経常収支としてはギリギリの黒字（8億8000万ドル）化したものの、貿易収支は14億8000万ドルの赤字となっています。
輸出額は今月の数字で、経常収支は10月分と集計時点に約1ヶ月半のラグが生じているのですけれど、この短期間で劇的に状況が変わっているとは思えません。輸出額が歴代最高値を更新したのであれば、輸入額も相当な高値圏を推移していると思われます。
東亜日報の記事からです。
我が国の今年の累積輸出額、従来の最高値更新...2年連続で史上最高の実績を記録
産業通商資源部（産資部）は10日、今年の累積輸出額が昨年の従来の最高実績である6444億ドル（約841兆ウォン）を突破し、2年連続で史上最高の実績を更新したと発表した。
（中略）
今年の輸出は前年に続き2年連続で史上最高の実績を更新しており、産業部は今年の累積総輸出額が6800億ドルを超えるものと見られると明らかにした。
これまで歴代年間輸出順位は2021年の6444億ドル、2018年の6049億ドル、2017年の5737億ドルなどの順だ。
今年の韓国の輸出額が6800億ドルを超えるものと予想されることから、輸出額の規模も7位から6位へと一段階上がるものと予想される。
東亜日報「우리나라 올해 누적 수출액, 기존 최고치 경신…2년째 사상 최대실적 기록（我が国の今年の累積輸出額、従来の最高値更新...2年連続で史上最高の実績を記録）」より一部抜粋
今月10日時点で昨年比6.8%の増加となっているそうです。
輸出額だけ見れば輸出が好調でうまく行っているように見えますね。しかし経常収支で見ると全然様相が変わってきます。
同じ東亜日報の別記事からです。
輸出不振に...商品収支は1ヵ月ぶりに再び赤字
（前略）
9日、韓国銀行（韓銀）によると10月の経常収支は8億8000万ドル（約1兆1600億ウォン）の黒字と集計された。黒字規模は昨年10月（80億1000万ドル）より71億3000万ドル急減した。
経常収支で最も大きな比重を占める商品収支（商品輸出と輸入の差額）は1年前より61億ドル減り、14億8000万ドルの赤字だった。商品収支は今年7月、10年3か月ぶりに赤字に転じた後、9月にようやく黒字に成功したが1ヵ月ぶりに再び赤字に落ち込んだ。輸出が525億9000万ドルで1年前より6％（33億6000万ドル）減少した影響が大きい。品目別では半導体（-16.4%）、化学工業製品（-13.4%）などが大幅に減少した。一方、輸入（540億7000万ドル）は原材料価格上昇の影響で8.5%（42億2000万ドル）増えた。
今年1～10月の累積経常収支は240億9000万ドルの黒字だが、黒字幅は昨年同期比504億3000万ドル減少した。経常収支が11月や12月に再び赤字に転落する可能性も排除できない。
（後略）
東亜日報「수출 부진에… 상품수지 한달만에 다시 적자（輸出不振に...商品収支は1ヵ月ぶりに再び赤字）」より一部抜粋
一本目の記事は「輸出好調で輸出額2年連続歴代最高値更新」、二本目の記事は「輸出不振で辛うじて黒字も経常収支激減」...一体どっち？と言いたくなりますね。
個人的には二本目の「輸出不振」を推します。実際に韓国の主要輸出品目である「半導体」が不振なのは確かですから。
