韓国で裁判所競売専業者によって競売に掛けられる物件が急増しているとのことです。住宅担保ローンの返済が滞ったために差し押さえられた物件です。今月の競売件数は1904件で前月より29%増。
しかしこの上昇は不動産市場が停滞したことにより年初からの「売れ残り」が蓄積した結果の件数増加とされています。
今年下半期からの急激な金利上昇を受けて、いわゆる「ヨンクル族(魂を売ってでもお金を借りる)」などの物件がオークションにかけられているわけではないようです。銀行により多少の違いはあるものの、一般的に滞納が3ヶ月を超えてから始まるそうで、実際の競売となるとそこからさらに数ヶ月かかるとされています。そのため今年下半期からの金利上昇による影響が本格化するのは来年上半期以降となるとのこと。
マネートゥデイの記事からです。
利子爆弾、ヨンクル族の最後?...「盤浦洞42億のマンションも競売」物件急増
(前略)
13日、裁判所競売専門業者のGGオークションによると、今年11月の全国マンション競売件数は1904件と集計された。前月(1472件)の比べ29.3%増となり、今年最多件数となった。月間基準では2021年3月(2029件)以来、1年8か月ぶりに最も多かった。
特にソウル、京郷、仁川など首都圏マンション競売件数が他の地域より高い増加傾向を示した。先月ソウルは162件、京郷は321件、仁川は131件のマンション競売を行った。いずれも年初対比で2~3倍以上増えた水準だ。
イ・ジョヒョンGGオークション専任研究員は「年初競売で流札になった物件が消化せれずに蓄積する中で新規物件が流入し、全体的な競売件数が増えた」として「価格帯が高いソウルなど首都圏マンション物件が他の地域より相対的に多くなる傾向」と説明した。
(中略)
所有者が金融機関から住宅担保融資を受けたマンションが競売に掛けられる過程は数ヶ月かかる。銀行ごとにガイドラインが異なるが、普通は元利金を3ヶ月以上返済できなければ該当営業店から本社の与信管理部に管理主体が移る。以後、借主の償還能力の再評価、売り物の鑑定評価などを経て任意競売を進行することになる。
このため来年上半期以降にマンション競売件数が大幅に増加するという見通しが出ている。イ専任研究員は「来年上半期から高金利負担で元利金償還が出来なかったマンション物件がさらに出てくる可能性がある」とし「今より新規競売件数がさらに増えるものと予想される」と話した。
(中略)
競売業界によればこの日ソウル中央地裁で瑞草区盤浦洞の「アークリバーパーク」専用面積84㎡競売を進行する。盤浦漢江沿いを代表するランドマーク団地で2016年8月に竣工したマンションだが、入居6年目にして初めて競売市場に出た。 鑑定価格は42億ウォンだが最近同じ坪型の売り呼び値(38~42億ウォン)と似た水準なので流札の可能性が高い。
(中略)
最近のマンション価格の下落傾向は競売市場でも確認されている。 人気地域の売り物も相場と近接した価格で鑑定価格が策定された1次競売では大部分流札され、これより価格が20~30%低くなった2回、3回目の競売に入札者が集まっている。
6日に競売を進行した陽川区木洞の「新市街地7団地」専用101㎡は3回目の競売に19人が入札し18億6892万ウォンで落札された。最初の鑑定価格26億2000万ウォンより約7億5000万ウォン下がった金額だ。
(中略)
来年のマンション競売市場に売り物が増えても短期間物量が解消されないだろうという展望が出ている。パク・ウォンガプKB国民銀行不動産首席専門委員は「売買市場より先行する競売市場が沈滞し、ソウルのマンションが何度も流札するのは今後の市場展望が暗いという傍証」とし「金利があまりにも高いために相場水準で出てきた売り物は実需要層も気軽に入札しにくいようだ」と話した。
マネートゥデイ「이자폭탄 영끌족의 최후?…"반포 42억 아파트도 경매" 매물 급증(利子爆弾、ヨンクル族の最後?...「盤浦洞42億のマンションも競売」物件急増)」より一部抜粋
現時点で既に相当の「売れ残り」が蓄積している上に流札が起こっており、鑑定価格より大分値下がった状態でようやく売れるような状態です。買い手側もそれが分かっていて待っているように思います。
もし来年上半期に本格流入があったとしたら、さらに価格が下がり競売で不動産物件を失っても残債は相当残ると思われます。
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「42億もヨンクルする人がどこにいますか。
一般の若者がヨンクルしますか。
ちょっとは考えましょう」(共感375 非共感3)
「まだまだ。
来年の夏から始まって秋に入ると泣き声があちこちで上がると思います。
兼好に気を付けて、各々生き残ってください~」(共感140 非共感4)
「今出ているオークション商品は...少なくとも6ヶ月前のものだと思わないと...。
2022年物はまだ出ても居ないと言える...。
2022年物があふれ出るときは、恐らく2023年4月頃から始まるのではないかと慎重に予想してみる...。
よって...まだ始まっても居ないし、スタートラインに立ってもいない状態だと見なければならない」(共感130 非共感1)
「国と民族を維持*1するには若者たちがきれいに恋愛し、子供を産まなければならない。
住宅価格が下がらなければならない理由だ。
大韓民国万歳」(共感79 非共感2)
若者が子供を産むために住宅価格が下がらなければならない、という理屈が出てきますが、韓国では結婚するときに生活の拠点となる「住宅」を準備する習慣があります。逆に言うと、家が買えない人は結婚しない(できない)の意味になります。
「少子化」→「結婚できない若者が多いから」→「結婚できないのは住宅価格が高いから」な理屈です。
*1:原文「yuji」。ユン大統領夫人のキム・ガンヒさんが過去に書いた英語論文で「会員維持」を「member yuji」と謎翻訳したことがある。