6月に急増した韓国家計負債、歴代最大を更新した話

しばらく減少傾向だった韓国の家計負債が再び急増し、2021年11月の歴代最大(1060兆9000億ウォン)を越えました。 最近、基準金利が据え置かれていることも影響しているかもしれません。
それにしても、1ヵ月で住宅担保貸出が7兆ウォン急増しており、これを「ヨンクルの帰還」と見る向きもあります。実際のところは分かりませんが、信用貸出は下がっていることを考えると、不動産市場にまた資金が集まり始めているとも取れます。

 



マネートゥデイの記事からです。

ヨンクル族の帰還?...住宅担保融資、1ヵ月で7兆の急増→家計融資「歴代最大」


(前略)

韓国銀行が12日発表した「2023年6月中金融市場動向」によると、6月末基準で銀行家計貸出残額は1062兆3000億ウォンと集計された。

銀行の家計向け融資残高は従来の歴代最大だった2021年11月(1060兆9000億ウォン)を上回った。

(中略)

銀行の家計貸出増減を詳細に調べれば、住宅担保貸出が1ヵ月間で7兆ウォン増加した反面、一般信用貸出など、その他の貸出は1兆1000億ウォン減少した。

住宅担保融資の増加幅は2020年2月(7兆8000億ウォン)以後、3年4ヵ月ぶりの最大水準だ。韓銀は住宅購入関連資金の需要拡大、入居物量増加、ジョンセ資金貸出増加転換(5月-6000ウォン→6月+1000億ウォン)などで、住宅担保貸出が大幅に増加したと明らかにした。

(中略)

ユン・オクジャ韓銀市場総括チーム次長は「住宅担保貸出増加は、住宅取引増加と規制緩和、政策モーゲージローンの取り扱いなどの影響と解説される」と話した。続けて「過去の信用貸出、ノンバンク家計貸出が共に増え、全体家計貸出が急速に増えた時期とは差がある」として「現在の家計貸出増加傾向が憂慮する水準ではない」と話した。

(後略)



マネートゥデイ「영끌족의 귀환?…주담대 한달새 7조 급증→가계대출 '역대 최대'(ヨンクル族の帰還?...住宅担保融資、1ヵ月で7兆の急増→家計融資「歴代最大」)」より一部抜粋

韓国銀行は本日行われた通貨政策方向会議で基準金利を現行の3.50%で据え置く決定をしました。4ヵ月連続です。ただし、引き下げについては「議論は無かった」とのことです。

また、韓国銀行総裁のイ・チャンヨンさんは韓国の家計負債を「GDPの80%水準まで下がるのが韓国経済のために良い」と、具体的な数値に言及して話しています。上の記事で「憂慮する水準ではない」としたのとは印象が違う気がします。本当は基準金利を上げたい(上げた方がいい)のだけど、家計負債のウェイトを考えると踏み込めない、そんな風にも読めます。