「順番的に習主席が訪韓する番では?」との問いに「なんの順番ですか?」な話

ムン・ジェイン政権のときの2017年と2019年の2度、韓国大統領は中国を公式に訪問しています。首脳レベルの国家訪問の場合、相互訪問するのが国際慣例となっていますが、習近平さんの訪韓はコロナの影響でまだ実施されていません。ユンさん就任時や、今年の韓国と中国の国交正常化30周年記念の際なども持ち上がりましたが、なんだかんだ躱されています。

そして先月のG20での中韓首脳会談と今月12日に行われた中韓外相のオンライン会談を経てまた「訪韓」が取り沙汰されています。
韓国側は「習近平主席の訪韓など首脳間交流の勢いが続くように疎通しよう」と述べており、順番的に習近平さんが「訪韓」することを当然と考えていることが分かります。しかし、この件で韓国メディアに質問を受けた駐韓中国大使は「順番ってなんの順番です?」との反応を示しており、韓国政府の思惑とはズレがあるようです。

 



聯合ニュースの記事からです。

駐韓中国大使、習近平答礼訪問の観測に「順番とは何の順番か」


ケイ・海明駐韓中国大使は14日、外交慣例上ユン・ソンニョル大統領の訪中より習近平中国国家主席訪韓が先に行われなければならないという見方について「順番とは何の順番か」と反問した。

ケイ大使はこの日午前、ソウル中区のプレスセンターで開催された韓国言論振興財団(KPF)の「韓中国交正常化30周年、成果と展望」テーマの「特別言論フォーラム」に参加した後、記者団の「韓国政府は習主席の訪韓が先に行われるのが順序だという立場のようだ」との指摘にこのように答えた。

彼は「12日、両国の外交部長官が会話し、主要20ヵ国(G20)首脳会議で両国首脳が互いを招待した」とし「外交チャンネルを通じて色々と良い話を交わすだろう」と述べた。

(中略 ※G20での韓国側の訪韓要請に対して中国は「コロナが落ち着いたら」とし、逆にユンさんの訪中を要請した点と、ムン政権下では2017年と2019年に訪中したが、習さんの答礼訪問はコロナの影響で未実施である点に触れ)

外交関連上、2国間レベルの首脳訪問は交互に行われる場合が多く、韓国では習主席が訪韓する番だという気流が強い。

しかしケイ大使のこの日の発言から見ると、中国の立場はこれに留保的なのではないかという観測が出ている。

(後略)



聯合ニュース「주한中대사, '시진핑 답방차례' 관측에 "순서는 무슨 순서인가"(駐韓中国大使、習近平答礼訪問の観測に「順番とは何の順番か」)」より一部抜粋

韓国って順番にすごく拘ります。行列に並ぶ順番とかではなく、序列的な意味合いの強い順番です。日本の新総理が就任すると何番目に電話会談が実施されるかにすごく注目しますよね。それも同じです。もちろん、電話会談の順番はその時々の両国間の関係重視度が反映される部分が大きいので必ずしも注目するのが悪いこととは言えませんけれども。
しかし一事が万事、順番に序列的・儀礼的・政治的意味を見出そうとする、そんなところがあります。
今回の「順番」もまさにそれで「順番?なにそれ?」と言われることは、そのまま韓国が「軽んじられた」と受け取るのでしょう。
そして不思議なことに韓国はなぜかこういう相手に弱いです。自分を袖にする相手を何とか振り向かせようとするんですよねぇ...。(認めさせた気になるんでしょうか?)
なにはともあれ、本当につくづく中国は韓国の扱いが上手です。