韓国企業がチャーターしたロシア船舶、中国船舶を経て北朝鮮船舶で油類を「セドリ」の可能性の話

なぜか韓国の主要メディアは総スルーで、唯一記事があがっていたのがニュース1だけでしたが、「韓国企業が借りたロシア船舶が中国船舶を通じて北朝鮮船舶に積み替え」を行っていたと、英国の軍事研究所が衛星写真と船舶信号を元に分析した結果を発表しました。
詰め替えだけなら特に問題はありません。しかし積み荷が「油類」というのが問題でして...北朝鮮は2017年の弾道ミサイル発射により安保理決議による制裁を受けています。この中で原油精油などの油類の年間供給量が制限されています。

 



ニュース1の記事からです。

RUSI「韓国企業が借りたロシア船舶運送の油類、中国船舶を通じて北韓に積み替え」


(前略)

英国王立合同軍事研究所(RUIS)は最近調査した商業衛星写真の船舶信号統計などを基に韓国から出発した油類が中国の仲介船舶を経て北韓船舶に移された状況を掴んだと自由アジア放送(RFA)が17日報じた。

RUSIによると韓国企業が借りたロシア船舶「マーキュリー号」は先月20日、グンサン港を離れ5日後に中国黄海に停泊し、この船舶は1日、中国船舶「シャンデリー号」に油類を移した。
シャンデリー号は5日、トーゴ国籍旗を付けて北韓の領海に入り北韓領海で他の船舶と並んでいる姿が衛星写真で確認された。

RUSI専門家たちは「シャンデリー号」と接触した北韓船舶が船舶自動識別早期を付けていなかったとし、これを根拠に船舶に間で不法な積み替えが行われた可能性が高いと明らかにした。
さらに「国連の対北制裁決議によって北韓に入る油類は国連に報告されなければならない」と強調した。船舶間の積み替え自体は不法ではないが、2017年に採択された対北制裁決議は年間で北韓に供給できる原油を400万バレル、精製油は50万バレルに制限している。

RFAによるとマーキュリー号の船主であるロシア企業側は「韓国企業に船舶を貸しただけで、その後の船舶の活動に関しては統制できない」と答えた。
また、マーキュリー号を借りた韓国企業側は「中国漁船に使われる油類を運送するためマーキュリー号を貸し切り中国船舶シャンデリー号に積み替えたのは事実だ」と明らかにした。

ただ業者側は中国船舶の仲介人から「油類を絶対に北韓に運送せずこれに違反した場合、法的責任を負う」との保証書を受け取ったと明らかにした。

(後略)



ニュース1「RUSI "韓 업체가 빌린 러시아 선박 운송 유류, 中선박 통해 北에 환적"(RUSI「韓国企業が借りたロシア船舶運送の油類、中国船舶を通じて北韓に積み替え」)」より一部抜粋

北朝鮮への油類供給を制限する2017年の国連決議は安全保障理事会決議第2397号のことです。一般に「安全保障理事会」の決議には法的拘束力があるとされるそうです。(国連総会の決議は努力義務)

国連の北朝鮮制裁委員会の調整官は「関連企業について調査中」とし「これ以上は言えない」と話したとのことです。
主体がどこであれ、船舶の動きから「セドリ」の可能性は濃厚で、ロシア船舶と中国船舶を間に挟むことで偽装しようとしたと思われます。
韓国企業による行為、と決めつけてはいけないんでしょうが...中国がやるならこんな小手先の誤魔化しに手間はかけないんじゃないかな...?というのが正直な感想です。根拠は特に無く、ただの感覚なんですが...。