韓国企業は規模は大きくなったが内実が不十分...経済危機に耐える体力が無いという話

韓国企業の資産規模が2.8%増える間に総負債は4.4%増えているという調査結果が報告されました。
収益性、成長性も鈍化している中で急激な金利上昇によって返済利子の負担も大きくなっています。総資本から負債を除いた自己資本比率は55.1%で、昨年同期と比べて2.3%下がりました。コロナ前の2019年(58.1%)とコロナ初年の2020年(57.2%)の比較では0.9%の下落でした。このときより悪いということです。
急激な金利上昇の影響はもちろんあるでしょうし、韓国国内の経済状況も影響しているとは思います。しかし、記事では特に触れられていないんですけど、対中輸出の減少の影響が実は一番大きいのではないかと思います。

 



アジア経済の記事からです。

資産2.8%増の時、借金は4.4%増...韓国企業、経済危機に耐える体力枯渇


(前略)

大韓商工会議所は最近、韓国評価データ(KoDATA)とともに1612の上場企業(大企業160社、中堅企業778社、中小企業674社)の今年第3四半期までの財務状況を、それぞれ成長性、収益性、安定性、活動性の4部門別に区別し画分析したと26日明らかにした。分析の結果、企業の売上、総資産などの成長性は改善されたが売上高増加速度が鈍化し営業利益が減っていることが分かった。収益性、安定性、活動性は軒並み悪化した。

◆成長性鈍化...負債で積み上げた資産=対象企業の今年第3四半期までの累積売上高は前年同期比19.0%増加し成長傾向を維持したが、成長速度はやや鈍化した。昨年の第2四半期から第3四半期を経て売上高増加率は0.5%上昇したが、今年は2.3%減少した。

(中略)

総資産は前四半期対比で2.8%増加したが同時期に総負債も4.4%増え「借金で積み上げた資産」という評価を受けた。実際に分析対象企業の合算総資産は39兆ウォン増加したが、総負債は40兆ウォン増加し、負債増加額が資産増加額を上回った。大企業は総資産が2.6%上がった間に負債は4.1%増加し、中堅企業は総資産が4.0%、総負債が5.9%それぞれ上がった。中小企業は総資産が1.2%、総負債が1.1%増えた。

(中略)

昨年の第3四半期まで大企業は58.3%の成長を見せたが、今年は12.5%減少したものと集計された。中堅企業と中小企業は前年同期比それぞれ13.1%と4.0%増加したが昨年の成長率に大きく及ばなかった。

企業が多く売り、かえって損をすることによって企業の収益性を評価する売上高の営業利益率も同人減少した。第3四半期の累積売上高の営業利益率は6.1%で、前年同期比1.7%ポイント減少した。これは前四半期と比べても1.0%ポイント減った数字だ。売上高当期純利益率は5.9%で昨年同期の7.4%より1.5%ポイント減少した。

このような中、企業が負担しなくてはならない利子費用は前年対比22.3%増加した。これは今年上半期から始まった急激な基準金利引き上げによるものと解釈される。実際、対象企業の第3四半期発生利子費用は計3.5兆ウォンで、第1四半期(2.6兆ウォン)と第2四半期(3.0兆ウォン)の発生利子費用を考慮すれば、毎四半期に4000~5000億ウォンの純利子負担が増える傾向だ。

(中略)

企業の安定性を示す指標も軒並み下落した。外部借入の増加で全体企業の第3四半期の累積負債比率(81.4%)と借入金依存度(19.4%)がいずれも昨年同期の負債比率(74.2%)と借入金依存度(18.9%)より増加した。

(中略)

総資本から負債を除いた自己資本の割合を示す自己資本比率も昨年同期比2.3%ポイント下がった55.1%を記録し、企業の財務健全性が大幅に低下したことが分かった。

(中略)

問題は悪化した状況を反転させる企業の活力が大きく落ちたことだ。報告書は在庫資産が大幅に増えた点を根拠に挙げた。第3四半期末基準で総資産のうち在庫資産が占める割合は2020年が6.1%、2021年が6.6%から今年は8.0%に急激に増加した。企業規模別に見ると、昨年の第3四半期末対比で大企業は5.5%から6.8%に、中堅企業は9.7%から11.4%に、中小企業は7.9%から8.4%にそれぞれ増加した。

在庫資産回転率も10.7回と記録された。これはコロナが最も激しかった2020年第2四半期と同じ水準だ。在庫資産回転率は在庫資産が売上につながる速度を示す指標で回転率が低ければ在庫資産の消尽速度が遅くなることを意味する。大企業は12.4回、中堅企業は8.2回、中小企業は5.5回で前四半期に比べていずれも遅くなった。

(後略)



アジア経済「자산 2.8% 늘때 빚은 4.4% 증가…韓기업, 경제위기 버틸 체력 고갈(資産2.8%増の時、借金は4.4%増...韓国企業、経済危機に耐える体力枯渇)」より一部抜粋

記事は最後に大韓商工会議所の調査本部長の言葉で終わっています。それによると「大企業が厳しい経済環境の中で頑張って輸出と内需販売に注力したけど、頑張れば頑張るほど営業利益が減った」「しばらく困難が続くだろうけど、今こそ危機を機会に新しい活路を見出す起業家精神が現れますように」と。
...なんだろう、「大企業が頑張ったけど駄目だったよ。頑張りが足りなかったかな?よし、大企業が無理なら若手の起業家が頑張ってみようか」って聞こえました(難聴)。