在日韓国人政治学者「韓国主導だけですべてが出来ると考えてはならない」、「韓国の『ナショナリズム』を下げてこそ、より良い未来」との話

年始に在日韓国人政治学者である姜尚中さんが韓国メディアのインタビューに答えていました。
タイトルに「韓国はナショナリズムを下げてこそ良い未来になる」とあったので気になって読んでみたのですが、釣りっぽいです。記事内容の核心はそこではないように思います。

しかしタイトルは決して嘘というわけではなく、冒頭の姜さんの発言に含まれていますし、大筋として「韓国だけで全てを解決できると思ってはいけない」「域内周辺国との関係性を重視すべき」との主張となっています。その中で「韓国のナショナリズム」が障壁となるから下げなくては、という意味でしょう。

 



韓国日報の記事からです。

在日政治学者の姜尚中氏の発言...「韓国の『ナショナリズム』を下げてこそ、より良い未来を作る」


「韓国が日本を超えたかどうかのレベルだけを考える時期は過ぎました。『韓国だけのナショナリズム』(民族主義国家主義)を下げ、地域全体の平和と南北間の平和のために何が出来るかを考えなければなりません」

先月18日、東京・丸の内ホテルで会った姜尚中東京名誉教授(73)は「韓国の未来」についての質問にこのように答えた。

(中略)

ー多国籍時代の韓国を評価するなら。

「20世紀が米国と資本主義を中心とした一か国の時代だったとすれば、今はその30年を終えて中国という存在を通じて多国籍化が進んでいる。我が国(姜教授は日本語でインタビューしたが、韓国を表現するときは韓国語で「ウリナラ」とはっきり言った)の問題は地政学的最前線に位置し、行動範囲がかなり制限されている。このような韓国の地声楽的行動制約をムン・ジェイン政府が新南方政策を通じて経済を中心にASEANとの関係を広げていったとすればユン・ソンニョル政府は自由で開かれたインド・太平洋といい、米国を中心にアジアで有力国家になろうとするものと見られる」

ー米国と歩調を合わせると中国との貿易関係侵害の憂慮が提起されている。

「ユン・ソンニョル政府の(米国中心の)外交政策を見れば、対中関係を非常に困難な状況にしているという点だ。特に経済的問題のため中国と完全に距離を置くことが出来ない現実がある。このようなジレンマは日本も同じだ。世界が多国籍化しているではないか。そのような状況で、ああだこうだの選択ではいけないということだ。また、韓国主導だけですべてが出来ると考えてはならない。米中葛藤、南北対立問題などを韓国だけの力で解決するのは難しいということはムン・ジェイン政府が示した」

ーユン・ソンニョル政府の米国への偏りは北韓の脅威のためではないか。

ムン・ジェイン政府の対北韓政策の限界は北韓問題を南北と米国が先に解決すれば全てが終わる、と見たことにあった。日本や中国など周辺国を気にしなかった。このため、逆に日本は韓国に対する強い不信感を抱くようになった。日本は南北問題に関与できず、米国は南北問題に集中するようになり、日本は排除されたという危機感を抱くようになった。このためムン・ジェイン政府では日本が南北問題解決の妨げになっているように見えたのだ」

(中略)

地政学的危機によって韓日が接近するようだが、歴史問題が残っている。

「韓日間の歴史問題の解決は難しいと思う。韓国内でこの問題に対してどうするというコンセンサスがまとまっていないうえ、固着化したためだ。また、これと関連して日本で韓国に対する輸出規制などがかみ合っていることも問題だ。ただ、国民レベルの交流はかなり進んでいるという点ん注目しなければならない。

(後略)」

(中略)

ー日本政治の変化の可能性は。

「韓国と日本の政治状況は全く違う。韓国は現在、国会議員数も野党が多く政権交代が起きているではないか。しかし日本は自民党が好き、嫌いの問題ではなくイノベーション(革新)が無いというのが決定的な問題だ。イノベーションを起こすほど野党が実力を持っていない。このため政治的無関心が深刻化している状況だ」

(後略)



韓国日報「재일 정치학자 강상중의 조언…“한국 ‘내셔널리즘’ 낮춰야 더 나은 미래 만든다”(在日政治学者の姜尚中氏の発言...「韓国の『ナショナリズム』を下げてこそ、より良い未来を作る」)」より一部抜粋

ナショナリズム控えて」って言っているのに、「韓国語で『ウリナラ』とはっきり言った!」って...煽ってません?もしかして、姜さんが在日韓国人(「半〇本人(パン〇ョッパリ)」という侮蔑語があります)ということで同胞を強調したかったのでしょうか?それにしても、長い目で見ればこうしたメディアの伝え方がナショナリズムを増長すると思うのですけど。


「韓国主導で」やりたがる状況、実に多いですね。米朝会談のときの「運転席」や「東アジアのバランサー」などがその代表的なものだと思います。実際はイニシアティブを取りたがるだけで主導的に動けていないわけですが...。

先日、韓国の「右派と左派は異なる歴史を見ている」との指摘をコメントで頂いて「なるほど」と思ったのですけれど、右派も左派も歴史の「主導」足り得なかったからこそ、「自分たちが主導したとする歴史だけ」を見たがるのかもしれません。
その両者にとって唯一共通するのが「日本主導による半島近代化」など、とにかく「日本主導」の歴史は見たくない、との心理ではないでしょうか?右派も左派も根底に反日精神が根付いているのはそのためでは。