第3者代理弁済支給開始、受領書に「日本企業への請求権を失う」旨の記述が無い話

徴用賠償訴訟の第3者弁済の支給が今月に入って2件行われたそうです。
受給者側が受け取った受領書には「判決と関連した金銭を韓国政府に代理支給してもらう」旨の内容は書かれていたそうですが、この支給金を受領することにより「日本企業への請求権を失う」とは書かれていなかったとのことです。
ただし、財団側はこの書類はあくまで手続き上の同意措置に過ぎない(法的拘束力はない)ものとしています。

後述する内容により、私はこのこと自体はさして問題とは思っていません。それよりもメディアが「韓国政府が日本の法的責任を無くすことが出来ないという点を認めた」という姿勢で報じているのが気になります。

 



時事ジャーナルの記事からです。

[単独]強制動員被害者、賠償金初受領...同意書には「債権消滅」漏れ


韓国政府が日帝強制動員被害者に賠償金を代わりに支払うことを決めてから1ヵ月ぶりに実際の支給が始まりました。

しかし政府は受領者に「債権消滅」に対して別途同意を求めなかったことが把握されました。

政府自ら第3者返済案が法的には日本の責任を無くすことが出来ないという点を認めたのではないかという分析が出ています。

12日、強制動員被害者側によりますと日帝強制動員被害者支援財団は今月に入って被害者遺族2人に初めて賠償金を支給しました。
この過程で財団と外交部は被害者側から「判決と関連した金銭を韓国政府に代わりに支給してもらう」旨の受領申請書を受け取りました。

しかしこの申請書には「受領と同時に日本の被告企業に関する債権を放棄する」という内容が含まれていないことが分かりました。
財団のお金を受け取れば、今後日本側に賠償責任を問う権利を完全に失うことになるという点を最後の同意書には言及しなかったのです。

これに対して法曹界の一部では「(債権が消滅したと明示する場合)今後の法的効力をめぐって争いがありうるため政府が予め備えた」という指摘が出ています。
財団側は「法的紛争の素地が無い(同意)手続き」として事実上認めました。

(後略)



時事ジャーナル「[단독] 강제동원 피해자, 배상금 첫 수령…동의서엔 '채권 소멸' 누락([単独]強制動員被害者、賠償金初受領...同意書には「債権消滅」漏れ)」より一部抜粋

ちょっと意味が分かりませんね。「債権消滅」の同意書が無かったから(自称)被害者に日本への「債権」がまだ残っているとでも言いたいのでしょうか?「韓国政府が代わりに支払う受領申請書」がある時点で「債権」が韓国政府に移り、後は日本政府と韓国政府の問題だ、というだけのことではないかと思うのですが...。
また、韓国政府も認識として1965年の請求権協定で「解決済み」である点を認めていますから、本来であれば「賠償責任を問う権利」ははるか昔に完全に失っています。今回の措置はあくまで「韓国司法」のやらかしの後始末ですから、今更書くことでもないです。
逆に、もし書けば今までは「賠償責任を問う権利」を失っていなかったことになるので請求権協定で「解決済み」認識と矛盾します。

しかし、これを根拠に今後「おかわり」を要求してくるような事態になれば今度こそ終わりですね。