マンション投資の代替先「オフィステル」売買価格、ここ10年で最大の下落幅を記録した話

日本ではあまり一般的ではありませんが、韓国には「オフィステル」と呼ばれる物件があります。「オフィス」+「ホテル」の造語です。
構造はワンルームマンションによく似ていて単身者が主なターゲットで、階下にコンビニやクリーニング店などの店舗が入り、上階が住居用として貸し出されます。
大体のケースで家具や家電がセットになっているのでウィークリーやマンスリーマンションのイメージが近いでしょうか。初期投資を抑えられるので、新生活を始める若者に人気だそうです。
一般的なワンルームマンションと決定的に違う部分は、住居だけでなく事務所として使えるところです。法的に明確に分類が異なるのだそうです。

マンション投資を諦めた人たちの中には代替投資先としてオフィステルを選んだ人たちがいます。オフィステルはムン政権下で実施された様々な不動産保有の「制限」が課せられなかったのでマンションに代わる投資先として一時脚光を集めたようです。
しかし、もちろん金利上昇の影響は受けていますし、ユン政権になって不動産規制が解除されたことでオフィステルが持つ優位性が薄れたことで価格の下落が起こっています。

 



韓国経済の記事からです。

「マンションの代わりにオフィステルを買ったが...もう少し待てば良かった」とため息


#.住宅価格が急騰した2021年、マイホーム購入に成功できなかったカン某氏(37)はマンションの代替材として挙げられるオフィステルにでも投資しなければならないと決心した。そうして思い切ってソウル麻浦区にオフィステルを購入したが、最近は気が気ではない。オフィステルを買収した時より価格が下がったうえ、ジョンセ価格が下落し借家人が保証金を一部返して欲しいと催促してきたためだ。それでも受け取る賃貸料はオフィステルを買収する際に受け取った貸出利子を払えば残るものがほとんどない。カン氏は「家を買えなかったという不安でオフィステルを買ったが、今では『もう少し待てばよかった』という気がする」と話した。

(中略)

17日、韓国不動産院が発表した2023年第1四半期オフィステル価格動向調査によると全国基準で第1四半期のオフィステル売買価格は1.19%下がった。前四半期(-0.82%)より下げ幅がさらに大きくなった。昨年の第3四半期以降、3四半期連続で下落している。

(中略)

ソウルは第1四半期に0.81%下落した。不動産景気が委縮した中で住宅規制が緩和されオフィステルの長所が薄れた。

(中略)

地方は打撃が大きかった。地方オフィステルの価格は1.36%下落した。不動産景気の低迷で投資需要と実需要が共に減った。分譲物量まで増え、需要者優位の市場が形成され大邱(-1.58%)、釜山(-1.38%)を中心に価格が下落した。

(中略)

民間統計でもオフィステルの不振が核に寝きる。不動産R114によると今年第1四半期のオフィステルの売買価格は0.27%下落した。10年以内に最も大幅に下落した。売買価格は2021年第1四半期に0.67%上昇してピークを記録した後、下がり続け昨年の第4四半期に下落転換した。

分譲実績も低迷している。今年第1四半期のオフィステルの分譲物量は1464室と集計された。昨年同期(7282室)より80%減少した。この10年で最も低い水準だ。

(中略)

ペク・セロム不動産R114責任研究員は「オフィステルは住宅価格上昇期の高強度不動産規制と供給不足状況が重なりマンションの代替材として脚光を浴びたが、昨年の急激な金利引き上げとオフィステルへのDSR(負債元利金償還比率)適用で需要が大きく減った」として「マンション中心に規制を大幅に緩和し、投資商品と住居代替材としての価値が下落した」と評価した。



韓国経済「"아파트 대신 오피스텔 샀는데…조금 더 기다릴 걸" 한숨(「マンションの代わりにオフィステルを買ったが...もう少し待てば良かった」とため息)」より一部抜粋

マンション投資に成功できなかった(乗り遅れた?)から代替材のオフィステルに投資しなければならない、という発想がすでに間違いの始まりな気がします。

オフィステルは法的に住居用物件と別扱いになるせいか統計データも別のようです。この件だけではないのですが、例えば家計負債のカウントからジョンセ金は除外したりするなど、韓国の統計は全体を俯瞰できるような採られ方がされていないことが多い気がします。
そのせいで悪化の速度が速く極端に見えるのではないでしょうか。ある側面を見て「まだ大丈夫」と思っていたら反対側で既に崩れ始めていた、みたいな。