3月の就業者数46万9000人増加...しかし60代以上が54万4000人増えたため全体を押し上げただけという話

ムン政権の頃からの傾向として、青年層の雇用が減り高齢者層の雇用が伸びるというものがありました。ユン政権でもそれが継続しています。しかも、ムン政権の頃より規模が大きくなっています。

ムン政権下では2017~2020年の年間の増加数が23万~38万でしたが、ユン政権下では先月の1ヵ月だけでなんと54万7000人の高齢者層就業者が増えたそうです。
働きたい人が働けるのであれば、就業者数が増えることは決して悪いことではありません。しかし、若年層の就業者数は逆に減少しています。これを鑑みると「働きたい人が職を得た結果の増加」とは一概に言えないように思います。
雇用の質が落ちた結果、若年層が見向きもしない職に生活苦の高齢者層が応募したのではないか、その結果が高齢者層だけ就業者数が増加したのではないか、そう思えてなりません。

 



プレシアンの記事からです。

先月の高齢者雇用増加、ムン政権を圧倒


(前略)

16日、統計庁が12日発表した「3月雇用動向」資料によれば、60歳以上の高齢層就業者は前年同月対比54万7000人増加した。これは全年齢帯で最も大きな増加幅だ。

60歳以上の次に就業者が増加した年齢層は50代だ。5万人増加した。続いて30代で2万4000人の増加が確認された。

一方、20代の就業者は8万6000人減少した。15~19歳の青少年就業者は3000人減った。これに伴い15~29歳の青年就業者数は前年同月対比で8万9000人減少した。

40代の就業者も6万3000人減少した。青年層の就業者は5か月目、40代の就業者は9ヵ月連続減少している。

(中略)

60歳以上の高齢者層の増えた雇用(54万7000人)が残り全年齢の雇用増加幅(-7万8000人)を圧倒している。60歳以上の高齢者層の就業者数は層就業者数の116.6%に達する。
ムン・ジェイン政府当時と比べても高齢者雇用の増加傾向は目立つ。ムン・ジェイン政府当時の2017年、60歳以上の老人働き口は25万4000人増加した。2018年には23万4000人増えた。2019年には37万7000人増加した。2020年には37万5000人増えた。

(後略)



プレシアン「지난달 노인 일자리 증가세, 文 정부 압도(先月の高齢者雇用増加、ムン政権を圧倒)」より一部抜粋

高齢者の雇用に力を入れているというより、そもそも雇用の「質」が悪いという問題がずっとありました。その傾向がより加速している可能性があります。



 



朝鮮Bizの記事からです。

先月の青年フルタイム職4.5万人減り、臨時・日雇い2.3万人増加...雇用量・質ともに悪化


(前略)

16日、統計庁経済活動人口調査マイクロデータによると、今年3月の青年層臨時労働者は106万8000人で、1年前の同期化により1万3000人増えた。臨時労働者とは雇用契約期間が1ヵ月以上1年未満だったり、雇用契約なしに短期雇用された就業者を言う。

また統計庁によると先月の雇用契約期間が1ヵ月未満の青年層日雇い労働者も13万9000人で前年同期比1万人増加したと集計された。青年層の臨時職と日雇い労働者が昨年より計2万3000人増えたのだ。

臨時・日雇い青年就業者の場合、宿泊・飲食店業でのアルバイト的な就業者が大きく増えたことが分かった。宿泊・飲食店業青年就業者の中で臨時職は36万5000人、日雇いは5万9000人で1年前よりそれぞれ5万7000人、1万5000人増加した。

一方、先月良質の雇用と評価される青年層の常用労働者数は249万4000人で前年同月より4万5000人減った。常用職青年就業者の減少は製造業(-4万人)と卸小売業(-3万8000人)で目立った。

(中略)

今年3月の青年層全体の就業者数は390万7000人で1年前より8万9000人減少した。これは昨年11月から5ヵ月減少したものだ。先月、すべての年齢を合わせた全体就業者数が46万9000人増え、10ヵ月ぶりに増加幅を拡大したのとは対照的だ。



朝鮮Biz「지난달 청년 상용직 4.5만명 줄고, 임시·일용직 2.3만명 늘어…고용 양·질 모두 악화(先月の青年フルタイム職4.5万人減り、臨時・日雇い2.3万人増加...雇用量・質ともに悪化)」より一部抜粋

ここでは青年雇用の臨時・日雇いの話しか出てきていませんが、全体的な雇用で臨時・日雇いのウェイトが大きいのじゃないかと思われます。青年層に比べて高齢者層の方がそのあたりに対するハードルが低いから結果として高齢者層の雇用率が伸びているのではないでしょうか?