第1四半期、韓国での1500万円以上の輸入車販売台数、昨年同期の12%増...8割弱が法人名義登録という話

1月に、昨年の韓国での高級輸入車販売量が過去最大を記録したが、10台中8台が「法人名義」として登録されているという記事を紹介しました。(こちら
法人名義で購入した社用車を私的に利用することや、維持費を経費として処理するを防ぐ(〇税にあたります)目的で社用車には黄緑色のナンバープレートを採用するなどの法整備が進められていますが、今年に入っても「法人名義」の高級輸入車の増加傾向は続いているようです。むしろ、7月から黄緑色のナンバープレートが導入されるということで、「その前」の駆け込み需要の側面があるのでは、と指摘されています。

 



朝鮮日報の記事からです。

「黄緑色のナンバープレートが来る」韓国で3億を超えるスーパーカーが急に増えた理由


1台当たり3億ウォンを超えるベントレーは昨年、国内で775台が売れた。年間最多販売記録だ。中国を除くアジア・太平洋全体で日本を抜いた1位だった。平均6億ウォン前後のロールスロイスは昨年、韓国で最多の234台が売れた。

不況とは言え、超高価(1億5000万ウォン超過)の輸入車は販売記録を塗り替えている。法人(会社)が超高価輸入車の大半を買い入れたからだ。政府は2016年、法人が高価な輸入車を購入し、オーナーが私的に使うのを防ぐために法人税法まで改正したが、これと言った変化はなくスーパーカー市場を法人が主導するのだ。業界では「法の死角地帯を巧妙に活用した脱税疑惑事例が多い」として「所得税・取得税などで年間数百億ウォン規模の税収を逃している」という批判が出ている。

(中略)

13日、輸入車協会によると、今年第1四半期(1~3月)の1億5000万ウォンを超える輸入車販売台数は6242台で、昨年第1四半期より約12%増加した。第1四半期の輸入車販売全体が前年同期比0.2%減少したことに比べれば、超高価輸入車市場は活況である。第1四半期の超高価輸入車の77%(4803台)が法人名で登録された。代表的なスーパーカーとして挙げられるランボルギーニは昨年403台が売れたが、343台(85%)を法人が購入した。今年第1四半期も54台のうち45台(83%)を法人が役割を果たした。3億ウォン前後が最小価格であるメルセデス・ベンツの高級ブランド「マイバッハ*1」も第1四半期に販売された466台のうち396台(85%)が法人名義だった。

(中略)

第1四半期に売れたベントレーの77%、ロールスロイスの93%も法人が購入したことが分かった。

(中略)

2016年以降、法人車関連法人税法が改正され現在では法人車の購入費やリース費は年間800万ウォンまでしか費用処理されない。会社の仕事で車を使ったという運行日誌を書けば燃料費・自動車税・保険料修理費も制限なく費用として処理できる。運行日誌を書かなければ購入費やリース費を含め、年間1500万ウォンまで費用として認められる。

問題は車の購入費800万ウォン限度に期限制限がないという点だ。ある税務法人関係者は「1億ウォンの車を買って10年間年800万ウォンずつ費用を分けて処理すれば事実上、購入費全額が費用処理されるわけだ」とし「法人名義にすれば依然として税金面で有利だという点は変わっていない」と話した。

また法人車1~2台を利用する中小企業の大株主が運行日誌を虚偽で作成して恩恵を受ける場合も多い。

(中略)

最近、法人名義の超高価車両の販売が急増している背景で間もなく施行される法人専用の黄緑色のナンバープレートが一部の原因だという分析もある。ユン・ソンニョル大統領の公約だが、国土交通部は早ければ7月から同制度を使用する方針だ。会社名義で所有したりリースした新規登録車両はすべて黄緑色のナンバープレートを付けなければならない。これを控え傍目からは法人車両であるかどうかが判断できない「平凡な」ナンバープレートを付けるために購入を急ぐ需要もあるということだ。

(後略)



朝鮮日報「“연두색 번호판이 온다” 한국서 3억 넘는 수퍼카 갑자기 늘어난 이유(「黄緑色のナンバープレートが来る」韓国で3億を超えるスーパーカーが急に増えた理由)」より一部抜粋

年間800万ウォン制限はあるものの、全体期間の制限がなく数年掛けて全額経費処理できるってザルも良いとこですね。最初から用意された抜け道だったのでしょうか?

緑ナンバープレートも、記事の内容的に施行前の納車?購入?分は適用外のようですし、これも抜け道になり得ますね。韓国の車検制度がどのようになっているか知りませんが、対象車は車検の際にナンバープレートの取り換えを義務付けるくらいしないことには実効性は無いんじゃないでしょうか?



*1:メルセデスマイバッハ。日本だと多分、3,060万円が最低ライン。