間もなくジョンセ金高騰時の契約が満期...ジョンセ金トラブルが来月から本格化する可能性が高い話

韓国独特の賃貸形態であるジョンセですが、通常は2年契約が結ばれます。2年経過後、契約を更新する場合は大家と店子とで再度、ジョンセ金の交渉が行われ、大家は「5%上限」の制限内でジョンセ金の増額が出来ます。店子はジョンセ金の市場動向によっては「一部返還」を要求することがあります。契約更新せず引っ越す場合、大家は店子にジョンセ金を全額返さなければいけません。

不動産市場が好況で、それに伴いジョンセ金が高騰した2021年6月から間もなく2年です。この期間にソウルだけで新規のジョンセ金契約が5万件を超えています。つまり来月から月平均5000件の契約更新 or 引っ越しがあります。どちらにせよジョンセ金トラブルが急増するでしょう。

 



ファイナンシャル・ニュースの記事からです。

下半期にもっと強い保証金大乱が来る...2年前に相次いだジョンセ契約は5万件を超える


(前略)

9日、ファイナンシャルニュースが不動産R114に依頼して分析した結果、ジョンセ金が高空進行を続けた2021年6月から2022年3月までの10ヵ月間、ソウルアパート新規ジョンセ契約は計5万2148件と調査された。「5%上限ルール」が適用される更新契約は除いて新規だけを集計した数値だ。不動産R114 の集計基準で、ソウルアパート3.3㎡当たりのジョンセ価格は2021年6月に2050万ウォンで、2000万ウォン台を突破して以後、翌3月には2157万ウォンまで上がった。韓国不動産院やKB統計も多少誤差はあるが、同期間をジョンセ価格のピークと分析している。

統計によると、この10ヵ月間にソウルで新規に締結されたマンションのジョンセ契約は毎月平均5200件余りだ。つまり来月からソウル全域で5000件以上のジョンセ契約満期が到来するわけだ。

ソンパ区の場合、コヨ洞の現代2次専用84.9㎡が2021年6月に6億5000万ウォンで新規にジョンセ契約が締結された。現在、ジョンセは4億2000万~4億5000万ウォンで取引されている。

(中略)

チャムシル洞リセンツ専用84.9㎡の場合、ジョンセ保証金急騰期に14億~15億ウォン台での取引が少なくなかったが、現在のジョンセ金上限価格は11億ウォン台だ。チャムシル洞のL公認仲介士は「下半期に入るほど高値で締結された契約満期が近づいてくる」とし「ジョンセ価格が早く回復しない限り、保証金返還は容易ではなさそうだ」と話した。

(中略)

ヨ・ギョンヒ不動産R114研究員は「2年前のジョンセ契約を分析してみれば、マンションの逆ジョンセ難は今年下半期にピークに達し、来年上半期まで続く見通し」とし「逆ジョンセ難を防ぐための方案より保証金が保護されるための最小限の安定装置が必要な時」と指摘した。

(中略)

キム・ドクレ住宅産業研究院室長は「ジョンセ金変換のために総負債元利金償還比率(DSR)規制を緩和するなど、現在の危機状況に合わせて一時的に柔軟な政策を積極的に考えなければならない」と強調した。



ファイナンシャル・ニュース「하반기에 더 센 보증금 대란 온다...2년전 상투잡은 전세계약 5만건 넘어(下半期にもっと強い保証金大乱が来る...2年前に相次いだジョンセ契約は5万件を超える)」より一部抜粋

現在、韓国政府が行っている政策を一言で言うと「不動産価格が上がるまで耐えて」です。
最後に住宅産業研究院の人が言っていますが「DSR規制を緩和する」、これは要するにローンを組みやすくして土地売買を活性化させて不動産価格を上げる、その速度を早くしようというものです。目指しているものは同じで、そのスピードの速いか遅いかだけを問題視しています。

でも、韓国で不動産価格が上がっていたのは単純な需要と供給のバランスによるものではなく、完全にバブルによるものです。元通りにジョンセ金が高騰するような環境が果たして良いことなのか...。