49歳を「青年」とする違和感の話

韓国で「青年年齢」は青年基本法という法律により基本的に「19歳以上34歳以下」と定義されています。
しかし最近、一部の自治体がこの年齢幅を拡大する事例が増えているそうです。場所によっては49歳まで「青年」と見なしている所もあるとのこと。
理由は支援事業の仕組みのためです。自治体からの金融支援を受けられる層が「青年年齢」層であるため「青年年齢」の定義年齢幅を拡大することで支援を受けられる層を拡大しているという状況です。

 



京郷新聞の記事からです。

34→39→45→49歳...「青年年齢」は何歳まで広がるのか


(前略)

忠南泰安郡は今月から青年新婚夫婦を対象にした「住宅ジョンセ資金貸出利子支援事業」の対象年齢を既存の18~39歳から18~45歳に拡大したと7日明らかにした。この事業は無住宅青年新婚夫婦に年間最大100万ウォン以内で最長3年間貸出利子を支援することを主な内容とする。泰安郡は7月「泰安郡青年基本条例」を改正し条例上の青年年齢を満18~45歳に変更した経緯がある。

(中略)

全羅北道南原市も青年年齢の範囲を39歳から45歳に拡大した。南原市議会は最近、このような内容を盛り込んだ「南原市青年基本条例一部改正案」を通過させた。改正条例案の核心内容は現在「19歳以上39歳以下」と規定された青年の年齢を「19歳以上45歳以下」に拡大することだ。これで南原地域に居住する40歳以上45歳以下4184人が「青年企業育成支援」、「新婚夫婦青年住宅貸切資金貸出利子支援」等の恩恵を受けられるようになった。

忠清北道永同郡も19歳以上45歳以下を青年夫婦と規定し、青年夫婦定着奨励金、複数子供世帯・新婚夫婦住宅購入資金貸出利子支援事業を施行することにした。

(中略)

青年の年齢を49歳に増やしたところも多い。慶南宜寧郡は17~49歳を対象に「青年小商工人創業支援事業」を進行している。

(中略)

慶尚北道の青年基本条例では青年を19歳から39歳と定義しているが、英陽・清道・醴泉・奉化・蔚珍は19歳から49歳と定めている。

キム・ジョンヒョン南原市議員によると、現在全国226自治体のうち青年上限年齢が39歳の自治体が132ヵ所、45歳の自治体は35ヵ所、49歳の自治体は27ヵ所にのぼることが分かった。

(中略)



京郷新聞「34→39→45→49세…‘청년 나이’ 몇 세까지 늘어날까(34→39→45→49歳...「青年年齢」は何歳まで広がるのか)」より一部抜粋

一般的に「青年」と言うと、大人と子供の中間、思春期というイメージがあります。特に文学作品などではそういう意味での使われ方が顕著ですね。
政治や法令においては「若者」を指して使われることが多いため成人も含まれます。日本だと15~40歳未満までの広い年齢層を指すことが多いようです。日本人の平均寿命は80歳代ですから、人生の約半分を「若者」と考えればいいです。
健康などの身体的な区切りで言うと、厚生労働省は15~24歳...四捨五入して20歳の層を「青年」としています。

使い方・使われる場・使われる区分の目的において「青年」の定義はこのように変化するわけですが、同じ目的のための区分なのに自治体によって定義が違うというのはさすがに日本では無いと思います。さらに49歳まで「青年」とするのは、やはり違和感があります。

無住宅者への金融援助ならわざわざ「年齢」で区別せずに住宅の有無と所得で区切ればいいだけのことですのに。「青年年齢」の定義をわざわざ変える必要性が分かりません。法令を適用するために解釈を歪ませているように思えてしまいます。