香港の次は日本という話

香港H指数連動の香港ELSの暴落で韓国人個人投資家(アリ)たちが大きな損失を被っているという記事を2度ほど紹介しました。
その香港ELSは基本3年満期で販売されるので、今年満期を迎えるもののほとんどが2021年に発行されたことになります。

 



以下のチャートは2021年2月~今月までの月足チャート(一本の線が1か月の動きを表す)です。



左端…つまり、多くの韓国人個人投資家が香港ELSを購入した時点が一番高くて、後はズルズル下げ調子というのがお分かりいただけるでしょう。コロナ終息からの中国経済リオープニング期待が見事に裏切られた格好です。


一方、日本では最近、日経225が好調です。昨年末の終値は3万3464円17銭。これは年末の株価としては1989年以来34年ぶりの高値です。
本日の終値は3万6546円95銭。2020年の第1四半期には一時1万7500円を割り込んでいたはずなんですが...。

こうした日経の勢いは韓国でも報じられています。
そして香港ELSに代わって今度は日経ELSの発行額が大幅に増えたそうです。

マネートゥデイの記事からです。

香港ELSのデジャヴ?最高値を記録した日本証券市場、日経ELSの火力がメラメラ


(前略)

22日、韓国預託決済院の証券情報ポータル(セイブロ)によると、本の日経225指数を基礎資産とするELSは今月19日までに前年同期(2682億ウォン)比49.3%多い4003億ウォンが発行された。日経225ELS発行銘柄数も前年対比32.7%増えた203個と集計された。

現在、日経225ELSの発行規模はKOSPI200ELS(3424億ウォン)の発行額を上回った。KOSPI200(157個)より発行銘柄も多い。2020年以降、KOSPI200ELS発行額が日経225ELS発行額より多かったが逆転した。

また、昨年の日経225ELS発行金額の伸び率は155.7%で米スタンダード&プアーズ(S&P)500(10.6%)、ユーロストックス(EUROSTOXX)50(2.9%)など、主要な海外指数の中で最も高い水準を示した。昨年、日経225ELS(11兆1720億ウォン)は香港H指数(HSCEI)ELS発行金額(5兆3973億ウォン)より2倍多い規模が発行された。

(中略 ※日本の証券市場がアジア証券市場下落の中で独歩上昇していること、少額投資の活性化への期待、円安に伴う輸出企業の好調期待が日本証券市場の強勢を後押しした、として今後しばらく好調が続く可能性が高い、とする)

しかし、日経225指数が最高点を記録し、短期間で下落する可能性があることも留意しなければならない。香港H指数を基礎にしたELSも同様に、2021年2月の証券市場の高止まりの際、飛ぶように売れたが現在では大規模な満期損失の危機に直面している。

(中略)

ムン・ナムジュン大信証券研究員は「日本銀行(BOJ)のマイナス金利政策解除の可否など、明確な返事が出てこない限り証券市場は金融市場が望む道筋を辿らないだろう」とし「BOJの通貨政策が正常化に向かう段階で地震発生がもたらした錯視効果(円安+証券市場上昇)持続性は制限された。第1四半期の既存通貨政策変更の可能性が大きくなったのが多くの見方で、3月の金融政策決定会議が近付くほど円高+証券市場下落が浮き彫りになるだろう」と話した。



マネートゥデイ「홍콩 ELS 데자뷔? 최고치 찍은 日 증시, 닛케이 ELS 화력 활활(香港ELSのデジャヴ?最高値を記録した日本証券市場、日経ELSの火力がメラメラ)」より一部抜粋

香港ELSは「売り方が悪かった」として、金融当局も販売元を調査しています。
日経ELSの場合、もし暴落したら「日本が悪い」「日銀に謝罪と賠償を求める」とかなったりして。