韓国が「バリューアッププログラムの事例共有」を日本に求めているらしい話

コリアディスカウント解消のためのバリューアッププログラムが日本をベンチマークして練られた、という話は周知の事実ですが、それだけではなく日本の東証に直接「協力要請」したという話が出てきました。バリューアップ事例の「共有」を持ち掛けたそうです。

まあ、記事を見てもらえれば分かると思いますが、韓国の「都合」によるものです。日本の事例を韓国が「利用」することしか考えていません。いつものことですね。

 



ソウル経済の記事からです。

【単独】「バリューアップのノウハウを教えてほしい」...韓国取引所、日本に協力要請


(前略)

11日、証券業界などによると、韓国取引所東京証券取引所企業価値向上の事例を共有する案を推進している。両国の取引所は先月末、一度議論を進めた。取引所が東京証券取引所とバリューアップ事例共有を推進する理由は、バリューアップガイドライン公開時期が当初の6月から5月に繰り上げられただけに、ガイドライン制定に速度を上げると同時に、日本の事例を参考にして私たちのバリューアップを補完・発展させるためだ。

(中略)

取引所は企業価値向上のためにPBR指数などを開発しているが、日本の「JPX Prime150指数」などが資金流入にどのような影響を及ぼすかも積極的に参考にするものと思われる。JPX Prime150指数は日本のバリューアッププログラムの結果物として、PBRが1倍以上の銘柄で構成された。

(中略)

金融当局と取引所は5月末、バリューアップガイドラインを公開する方針だ。バリューアッププログラムに参加する上場会社を別途公表し、優秀企業の選定基準を設け、優秀事例を集中的に発掘する計画だ。コリアバリューアップ指数やETFを通じて関連銘柄への投資金も積極的に誘致する方針だ。

(中略)

韓国政府は今年下半期からバリューアッププログラムを適用する計画だ。ただ、日本の立場では韓国の事例を参考に出来るものが今の所無く、協業する意味が少ないという指摘も出ている。実際に協業が行われるかも未知数だ。取引所関係者は「バリューアッププログラムの事例を共有するというが、日本がどのように応じるか分からない状況」とし「韓国で必要だから推進していること」と説明した。

(後略)



ソウル経済「[단독] “밸류업 노하우 알려달라”···한국거래소, 日에 협력 요청(【単独】「バリューアップのノウハウを教えてほしい」...韓国取引所、日本に協力要請)」より一部抜粋

バリューアッププログラムの意義は海外からの投資を国内に誘致することです。日本の立場からすれば、韓国へ海外の投資金が流れることはメリットになりません。むしろ、韓国が競争相手ということになりかねません。
しかも、記事が指摘するように今の所、日本側に韓国で参考に出来るような事例がありません。一方的に日本の事例を韓国に「共有」するばかりで日本側にメリットがありません。これって「協力」と言えるんでしょうか?


バリューアッププログラムが日本をベンチマークして作られた、という時点ですでにそうなんですが、韓国人が欲しいのは「模範解答」なんですよね。すぐに成果物を欲しがるというのも同じ心理だと思います。
でも、模範解答が与えられてそのまま書き写した場合「正解」となる大前提は、与えられた「模範解答」がその「問題」に合致していた場合だけですよね。問題番号が一個ズレていたら全く意味がないどころか「不正解」です。
日本と韓国ってパッと見似ていますけど、全く同じなわけでは無いので類似問題ではあっても同一問題では無いと思うんですよね。ですから、一般公式を用いて応用問題を解くのなら使えますが、模範解答丸写しでは意味がないと私は考えます。

しかし、韓国側がやろうとしているのは日本を模範解答に丸写しで韓国の問題を解こうとすることです。日本が10年掛かったものを今年の上半期だけで成し遂げようとしているのも、日本という模範解答があるからイケると考えているからだと思います。
そんな甘いものだとは思えません。体質改善は時間が掛かります。パリパリ(早く早く)で強行しようものなら急激な変化となります。急激な変化には必ず急激な揺り戻しが伴います。