韓国半導体関連で「良いニュース」と「悪いニュース」があります。今日は「良いニュース」の方を。
3月中旬までの半導体輸出が前年同期比46%増加となりました。全体輸出額の増加は去年の10月から5ヵ月連続です。
また、米マイクロンの12月~2月の業績が前年同期比58%増と発表されました。マイクロンの業績発表は業界最速のため業界全体の実績を占う指標とされます。そのためサムスンなどの同業者の業績も期待できるというわけです。
韓国経済の記事からです。
3月中旬までで輸出が11%増加...半導体輸出が46%以上増加
(前略)
21日、関税庁によると3月1~20日の輸出額(通関基準暫定値)は341億2500万ドルで、昨年同期比11.2%増加した。
(中略)
品目別にみると半導体輸出が46.5%増えた。月間半導体輸出額は昨年11月(10.8%)と12月(19.0%)、今年1月(52.8%)、2月(63.0%)の4ヵ月連続二桁の増加率を記録している。
(中略)
貿易収支は7億1100万ドルの赤字だった。先月同期間は12億3100万ドルの赤字だった。
(後略)
韓国経済「3월 중순까지 수출 11% 증가…반도체 수출 46% 넘게 늘어 [종합](3月中旬までで輸出が11%増加...半導体輸出が46%以上増加)」より一部抜粋
正直、46%増と言ってもここ2年程がかなり悪かったので、悪い時期と比較しての「46%増」ですから楽観視するには早すぎるかと思いますが...。なんせここ5年でメモリ半導体の輸出額は半減(2018年830億ドル→2023年429億ドル)していますからね。
それでも「輸出さえ回復すれば問題ない」「半導体さえ回復すれば問題ない」「超技術格差で乗り切れる」が韓国メディアの視点でしたから一安心なのでしょう。
「悪いニュース」は明日になります。同じく半導体関連で「サムスンのやり方が通じなくなってきた」というものです。
今までは巨額の先行投資を行うことで市場シェアを取って来たサムスン。汎用メモリ半導体ならそれでいけたけれども、AI向けの高帯域幅メモリ(HBM)ではそうはいかず、それどころか収益性の観点から2019年に開発チームを解散するというミスを犯したことで完全に出遅れました。
さらにはファウンドリのシェアも思うように縮まらないどころか逆に拡がっており、スマホのシステム半導体領域でもシェアが半減している現実についての記事を紹介する予定です。