韓国、個人回生申請件数1年で30%増…銀行の不良債権も増加傾向という話

昨年3月から今年2月までの1年間、韓国で申請された個人回生と債務調整の件数が前同期比30%増と急増しています。

個人回生は一定の所得がある債務者に対し、最低限の生活費を確保した状態で一定期間(3~5年)を債務返済に充て、残りの債務を免除する制度。つまり借金の棒引きですね。
債務調整は返済期間の延長や利子の調整、一部債務の減額など、文字通り債務を調整することです。

 



ハンギョレの記事からです。

金利・物価高で借金爆弾…個人再生、過去最大


(前略)

21日、国会政務委員会所属のオ・ギヒョン共に民主党議員室が最高裁と信用回復委員会(信復委)から受け取った資料によれば、1月に裁判所に受け付けられた個人回生は計1万2002件で歴代最大値を記録した。

(中略)

昨年3月から今年2月までの1年間に受け付けられた個人回生件数は12万4230件で、前年同期(9万5281件)より30.4%増えた。高物価で実質賃金まで減り、債務負担に耐えられない債務者がそれだけ増えたという意味だ。

(中略)

同期間(2023年3月~2024年2月)、信復委に受け付けられた債務調整も18万9259件で、前年同期(14万6072件)より29.6%増えた。

(中略)

銀行圏が保有している貸し出しの質も悪くなったと集計された。この日の金融監督院の資料によれば、昨年末基準で国内銀行の不良債権(固定以下与信)比率は0.47%で、昨年第3四半期(0.44%)と比べ0.03%ポイント、前年末(0.40%)と比べ0.07%増加したと集計された。昨年末の不良債権総額は12兆5千億ウォンで、9月末(11兆5千億ウォン)より1兆ウォン増加した。不良債権の構成比重は企業与信10兆ウォン、家計与信2兆3千億ウォン、クレジットカード債権2千億ウォンの順だった。

(後略)



ハンギョレ「고금리·고물가로 빚 폭탄…개인회생 역대 최대(高金利・物価高で借金爆弾…個人再生、過去最大)」より一部抜粋

不良債権比重はコロナのときに一時低くなっていました。大規模な金融支援が行われたためです。
しかし、これも去年の9月に終了し増加に転じました。

記事は最後に経済学教授の言として「高金利負担はすべての経済主体に同じように作用する」としていますが、今の韓国の状態が「高金利」だけのせいなのか?な気は若干します。今まで借金で持ちこたえていたものが持ちこたえられなくなったのは「高金利のせい」かもしれませんが、そもそも「借金で」持ちこたえていたからこその今では?な気も。