韓国のカード会社は今年上半期で約1兆5000億ウォンの純利益をあげました。ただし、この純利益の大部分がカードローン(高リスク商品)と言われています。つまり、返済余力の低い低信用者を対象に利用が拡大したという意味なので、状況としては決して良くありません。
韓国の銀行圏は家計負債管理を名目に融資基準を強化していて、8月の時点で融資を受けるためには信用点数(1000点満点中)平均940点必要だったとも言われています。
カードローンの集計は上半期のものですが、銀行圏が低信用者を締め出し始めたのは昨年下半期からです。第2金融、第3金融はそれより前から貸し渋りをしています。
金融圏で融資を断られた層がカードローンに相当数流れたと考えられます。
そして、カード会社の実質延滞率は17.6%と、前年比+0.22%p急上昇しており、カード会社は不良債権を上半期だけで1兆6000億ウォン分売却していたことが分かりました。この分の利益は3700億ウォンと計上されています。
それでも専業カード会社8社の延滞率は1.69%と10年間で最高値を記録しています。下半期も同程度か、さらに多くの不良債権が処分されるものと思われます。
昨年の不良債権売却規模が年間で2兆2300億ウォンでしたから、不良債権の売却規模は昨年より1兆ウォンほど増える可能性があります。
ソウル経済の記事からです。
カード会社、半年で不良債権1.6兆ウォン売却...延滞率を抑えようと奮闘
(前略)
1日、金融監督院が国会政務委員会所属のキム・ヨンマン共に民主党議員室に提出した資料によると、今年上半期に新韓、サムスン、現代、KB国民、ロッテ、ハナ、ウリ、BCカードは計1兆6452億ウォンの不良債権を売却したと集計された。金融界では現在の増加速度が維持されれば今年の不良債権売却規模が昨年(2兆2374億ウォン)水準を超えるものと見ている。
(中略)
カード会社別に見ると、ロッテカードが上半期だけで4527億ウォンの不良債権を売却したが、これは昨年の全体実績(6611億ウォン)の68%に当たる。次に多く売却したカード会社はウリィカード(3636億ウォン)だった。ウリカードは上半期だけで昨年の年間全体売却規模(3976億ウォン)に準ずる不良債権を整理したものと集計された。
続いて新韓カード(3114億ウォン)、現代カード(1965億ウォン)、ハナカード(1716億ウォン)の順だった。
(中略)
このようにカード会社が積極的に不良債権を処分するのは延滞率を管理するための自己救済策と解説される。しかし上半期だけで1兆6000億ウォンに達する不良債権を売却しながらも、同期間カード業界の延滞率は悪化したことが分かった。金融監督院が先月27日に発表した「2024年上半期与信専門金融会社営業実績(暫定)」によると専業カード会社8社の延滞率は1.69%を記録し、10年ぶりに最高値を記録した。
カード会社の延滞率が急増したのは、最近カードローンで中・低信用者の貸出需要が集中したためだ。景気低迷の長期化の影響で庶民向け融資窓口である貯蓄銀行と貸付業が融資の敷居を高め、資金が必要な脆弱借主が比較的簡単にお金を借りることができるカードローンに集中した。
(後略)
ソウル経済「카드사, 반년 만에 부실채권 1.6조원 매각··· 연체율 잡기 안간힘(カード会社、半年で不良債権1.6兆ウォン売却...延滞率を抑えようと奮闘)」より一部抜粋