不動産PF、「住宅」に分類されないオフィステルが金融対策支援から漏れている話

不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)関連で、また新たに爆弾が出てきました。
「生活型宿泊施設(生宿)」...いわゆる「オフィステル(オフィス+ホテル。事業所の事務所を宿泊施設として併用できるタイプの物件)」に分類される不動産のPF規模は、首都圏だけで5兆ウォン規模と推算されているのですが、金融機関がこれらを「リスク資産」に分類し、貸し出しが受けられない状態になっているようです。
以下で紹介する記事によると、1室あたりの工事費(3億2000万ウォン)の約70%が不動産PFで賄われている計算になるそうです。

 



ファイナンシャルニュースの記事からです。

生宿PF爆弾首都圏だけで5兆ウォンと推算…金融対策は抜け落ちた


(前略)

16日、国土交通部がキム・ウンヘ議員室に提出した「生宿施工現場(各地方自治体調査)」資料を土台にファイナンシャルニュースが業界に依頼して分析した結果、首都圏レジデンス室当たりの施工会社の平均PF保証金額は2億3000万ウォン程度と把握された。工事費(1室当たり平均3億2000万ウォン)の約70%程度だ。

国土部の資料によると、今年1月基準で工事中の生宿は、首都圏の場合、ソウル3408室(比重4.6%)、京畿1万7321室(23.3%)、仁川4026室(5.4%)の計2万4755室だ。1室当たり(2億3000万ウォン)の金額を考慮すれば、建設会社は首都圏だけで5兆6000億ウォン程度のPF保証を行っているものと推算される。

地方に範囲を広げれば、さらに大きくなる。 施工中の7万4326室のうち66.7%の4万9571室が集中している。特に江原道の場合、26.2%に達する1万9502室が建築中だ。

(中略)

A建設会社の役員は「一部の会社はレジデンスPF保証金額が1兆ウォンを越える」として「貸出全面中断に訴訟などで代金が入ってこないため、首都圏だけで5兆ウォン程度のPF爆弾がいつでも爆発する可能性があるということを意味する」と話した。韓国レジデンス連合会関係者は「以前はそれでも分譲価格の30~40%ほど残金貸出を受けることができたが、最近は危険資産として最初から貸出を全面遮断する銀行が増えている」と伝えた。続けて「建物全体を宿泊業として全て登録し、代表者1人が丸ごと受け取る条件であってこそ貸出をしてくれるという」として「国土部も金融当局も知らんぷりをしている」と訴えた。

PF貸出をしてくれたある金融機関はレジデンスリスクが大きくなるや施行会社の事業費執行に使われる「信託口座」を一方的に凍結した事例まで出てきた。該当施行会社はPF償還をしたくてもできず、延滞利子は利子通りに払わなければならない状況だ。

(後略)



ファイナンシャルニュース「생숙 PF 폭탄 수도권만 5조 추산...금융대책은 빠졌다(生宿PF爆弾首都圏だけで5兆ウォンと推算…金融対策は抜け落ちた)」より一部抜粋

不動産への「ヨンクル」が盛んだったころは住宅価格が高騰していました。マンションへの投資が金銭的に厳しい人たちにはオフィステル投資も人気で、それに伴いオフィステルの建設も盛んに行われていました。もちろん、不動産PFで…ってことです。

韓国政府はオフィステルの用途変更を緩和する支援策を出しているそうです。ただし、「住居」としてではなく「宿泊施設」としてです。その場合、各部屋の権利者全員が同意する必要があります。
業界はオフィステルを「準住宅」に分類するよう働きかけたようですけれど、結局実現しなかったようです。
オフィステルはあくまで「宿泊施設」の分類のようですから、これを「住居」とするのは無理がありますよね。日本でも「ホテルに住む」ということは可能ですけれど、それを「住居」に分類はしませんからね。住民票をホテルの住所に移すことも基本出来ませんし(自治体によっては可能らしいですが)。