原子力潜水艦関連の記事がまだまだ盛んです。
イ・ジェミョンさんが「中国側」と言及したり、「米軍の負担軽減」を原潜所有の名分に掲げたことなどをもって「バランス外交から米国寄りにはっきりと軸を移した」とのNYT(ニューヨークタイムズ)の記事を引用し、これによって「イ・ジェミョンさんの(対中関係)舵取りが難しくなった」とする主張があったので紹介します。
個人的にイ・ジェミョンさんが「中国側」と言ってしまったのは完全にやらかしたと思います。米国は見逃さず、言質を取られた格好ですし、中国も見逃してくれませんでした。
前々からイ・ジェミョンさんはその場のノリで話す癖がありましたけれど、外交の場(しかも首脳会談)ではやっちゃダメでしょう。
ソウル新聞の記事からです。
「原子力潜水艦、韓国バランス外交の終焉シグナル...イ大統領、」努力が難しくなった」
ニューヨークタイムズ(NYT)は1日(現地時間)、韓国が米国と中国の間で均衡外交を維持することがますます難しくなっていると分析した。
(中略)
NYTは「韓国が米国と中国の相反する要求を調整できるだろうか」という題名の記事で「イ・ジェミョン大統領は今年6月就任直後に中国との関係改善を誓い、11年ぶりになされた習近平中国国家主席の訪韓は機会と見なされた」と伝えた。
しかし、イ大統領のこのような努力は、米国との同盟を強化しようとする韓国の動きと重なり複雑になったと、メディアは指摘した。
(中略)
イ大統領は「中国との貿易関係が韓国が世界的な経済強国に成長するのに役立った」と答え、依然として韓国にとって中国が経済的にも安保的にも重要なパートナーだという事実を強調した。米国の対中牽制に参加するという疑いを和らげるという目標をひとまず達成したわけだ。
国内では韓米同盟と韓米日協力を基本軸とするものの、中国との関係も安定的に管理するという「国益中心実用外交」の基本構図をAPEC首脳会議の契機に固めたという評価が出た。
(中略)
先月29日に開かれた韓米首脳会談で、イ大統領はドナルド・トランプ米大統領に直接「核推進潜水艦」を議題として持ち出した。「韓半島の東海、西海海域の防御に(原子力潜水艦を)活用すれば、米軍の負担もかなり減るだろう」という点を名分に挙げた。
トランプ大統領は翌日、ソーシャルメディア(SNS)を通じて韓国原子力潜水艦の建造承認を発表した。古い安保宿願の一つが解決された瞬間だった。
中国の反応は即時だった。中国外交部の郭嘉勲報道官は31日、「韓国と米国は地域の平和と安定に役立つことをしなければならず、その反対になってはならない」と核不拡散の義務に言及した。
このような状況についてNYTは「韓国が米国の安保体系にさらに統合される措置であり、新しい潜在的葛藤要因」と評価した。
「均衡は終わり」綱渡りは避けられない
ジョージ・H・W・ブッシュ米中関係財団のイ・ソンヒョン先任研究員はNYTに「韓国は長い間、米国に対する安保依存と中国との経済相互依存の間で均衡を維持してきたが、その均衡は事実上終わった」と言及したりもした。
彼は原子力潜水艦取引は「韓国が均衡者から米国体系に完全に編入されたパートナーに転換されることを意味する」と分析した。
同紙は、イ大統領の国防費増額の約束も「米国と中国の相反する要求を折衷しにくい」変数に挙げた。中国牽制のためにトランプ大統領がずっと要求してきた事案という点からだ。
(後略)
ソウル新聞「“핵잠수함, 한국 균형외교 종말 신호…李대통령 노력 복잡해졌다” [월드뷰] (「原子力潜水艦、韓国バランス外交の終焉シグナル...イ大統領、」努力が難しくなった」)」より一部抜粋
最近読んだとある記事で、日本と聖書文化圏との感覚の「違い」に関するものがありました。記事の著者がどういう人なのか、どういった知識の元に記事を書いたのかは分かりませんが、一部「なるほどな」と感じる部分があります。
まず、聖書文化圏では事物(被造物)に神性を感じない(成長の過程でそのように訓練される文化)、とします。
一方、日本は事物に心(仏性や神性)を感じる(成長の過程でそのように訓練される文化)、とします。
韓国については元記事では触れられていませんが、韓国も日本と同じ仏教圏・儒教圏であることを考えれば、その辺りの文化的感覚は近しいのではないかと思われます。
で、この「神性」を「感じる/感じない」は言い換えれば「感情移入」を「する/しない」となります。日本人が何でも擬人化する理由と考えれば納得いきます。
元記事で触れられているのはここまでで、以下は私の勝手な解釈です。
感情移入を「する/しない」は言い換えれば「感情的に見る」か「客観的に見る」かの違いともとれます。
さらに、「感情的に見る」か「客観的に見る」かは「距離を近付ける」か「距離を取る」か、と見ることもできます。
前々から韓国の「等距離外交」について「どちらとも距離を近付けること」と感じていた感覚はコレだったのかもしれません。
外交の場で「韓国の状況を分かってもらおう」とするのも、「共感を求める」=「感情移入を求める」と解釈すればスッキリします。