「韓国の完治率が低いのは基準が厳しいから」という話

COVID-19による死亡率が極端に低い韓国さんですが、現在までの完治率もダントツで低いことが分かりました。
中国は完治率62% なのに対して、韓国はなんと0.7% です。(3月5日お昼現在でスマホニュースの通知データで集計したの全世界の完治率は53.8%)

その他、シンガポール、イタリア、イラン、フランス、ドイツ…など、各国を見てみても完治率が5%以下の国はありません。韓国さんの低さはちょっと異常です。

これについて「外国との具体的な違いは、韓国が最も厳しい基準を固守したから」という説明がなされたそうです。
だから基準を変えれば完治者が一気に増えて完治率も上がります、といことです。


国民日報の記事からです。

コロナ19「完治率」中国62%、韓国0.7%の秘密は


中国62%、シンガポール71%、イラン19%、イタリア6%、韓国0.7%。

各国のコロナ19感染者の完治率である。発症地の中国では完治率が62%と報告され、イタリア、イランもそれぞれ6%と19%と集計された。しかし、世界で二番目に確定者が多い韓国は完治率が1%にも満たないことが分かり、関心を呼び起こしている。

韓国は4日午後5時現在、コロナ19の累積感染者5621人、死者33人、完治者41人と集計された。致死率が0.58%で低い点が肯定的であるが完治率も約0.73%で1%にも満たない。他の国の完治率と比較すると異常なほど低い水準だ。

(中略)

韓国の低い完治率は、これまで厳しい基準を適用してきたためと思われる。先だってキム・カンリプ中央災難安全対策本部1総括調整官は2日、低完治率と関連し「外国との具体的な違いは、従来の基準では韓国が最も厳しい基準を固守したというのが一般的だ」と説明した。

(中略)

疾病管理本部の中央防疫対策本部は2日、新たに施行する「コロナウィルス感染症-19対応指針」(第7版)に基づいて、今後、 呼吸器検体の遺伝子増幅(PCR)検査2回の陰性基準を満たしていなくても発熱がなく、症状が好転すると退院 とした。従来は、症状が消えた次の48時間が過ぎた後、PCR検査を24時間間隔で2回実施し、陰性の場合、隔離解除の判定を受けた。

(後略)

国民日報코로나19 '완치율' 중국 62%, 한국 0.7%의 비밀은(コロナ19「完治率」中国62%、韓国0.7%の秘密は)」より一部抜粋


一部省略しましたが、記事内で言及されている各国の完治率は以下のとおりです。

感染者累計数(人) 完治者数(人) 完治率(%)
中国 80,270 49,853 62
韓国 5,621 41 0.7
シンガポール 110 78 70.9
イタリア 2,502 160 6.4
イラン 2,922 522 17.9*1
香港 101 37 36
フランス - - 5.6
ドイツ - - 6.6
米国 - - 7

※フランス、ドイツ、米国については完治率のみ。

日本にはなぜか触れてくれていませんが、感染者累計数331人、完治者数43人、完治率13% です(5日昼時点)。
やはり韓国の0.7%は際立って低い数値です。

記事の中では「韓国の基準は厳しい」とされていますが、比較対象となる他諸外国の具体的な判定基準について一切触れていませんので、本当に厳しいのか分かりません。(イランの数値が如何に信用できないかはグチグチ書いていますが…)


韓国の改定前と改定後の基準は次のようなものです。

改定前 改定後
症状がなくなってから48時間後
24時間おきに2回検査
を行う。
どちらも陰性であれば退院。
発熱がおさまってから24時間後に検査。
陰性であれば退院。
熱が下がっていればウィルスが残っていても
発症日から3週間経過後、隔離解除


韓国単体で見ると、改定前は厳しそうです。

ですが、ちょっと調べてみた所、中国の基準も似たようなものです。

  • 少なくとも24時間おいて2回検査を行い、どちらも陰性であること。
  • 症状の解消を含む臨床的回復の兆候があること。


これが中国の基準です。
ちなみに、中国では退院した人がまた陽性判定を受ける事例が増えており、検査を3回に増やすよう「基準の強化」を求める声が一部であがっているそうです。既にいくつかの病院では自主的に3回の陰性判定を確認するようにしているところもあるとか。


また、記事の中では丸っと無視されている日本の基準も似ています。

  • 24時間発熱(37.5℃以上)がなく、かつ呼吸器症状が改善傾向であること。→「軽快」と判断。
  • 「軽快」判定後、48時間毎に検査を実施。陰性化が確認されたら12時間以上間を置き再検査で陰性が確認できること。


韓国の基準が「厳しい」のなら、私は日本のこの基準も十分「厳しい」と思います。
日本はこの基準で完治率が13% (5日昼時点)です。


中国にせよ日本にせよ、この基準はWHOの勧告に従ったものです。
確認はしていませんが、他の国についても基本的にはWHOの勧告に従った判定基準を用いているものと思われます。
韓国がこれらに比べて特別厳しい基準だったようには思えません。(あくまで素人目線ですが)


にも関わらず、これだけ差が出るのはなぜでしょう。
2回の検査の間隔が24時間か、12時間かの違いで、日本と韓国の完治率の差が12%以上、といのはちょっと納得しがたいものがあります。

記事内で不自然なくらい日本に触れなかったのは、もしかしてこの数値の差を説明できないからでしょうか?

何か他に見落としている要因があるのではないでしょうか?


*1:記事中では18.9%となっているが、計算が合わない。多分、入力ミス。