韓国裁判所が日本製鉄の抗告を認めなかった話

今年の6月に日本製鉄に向けて「公示通達」が行われた「資産差し押さえ通達」は8月4日に効力を発揮しました。
これにより、12月9日から裁判所の判断で資産売却の手続きが可能となっています。

日本製鉄は8月に1件、今月9日の2件、計3件の「即時抗告」を行っていますが、その全てについて韓国の地方裁判所は「理由なし」を理由に認めませんでした。


聯合ニュースの記事からです。

大邱地方裁判所「強制徴用の日本製鉄資産差し押さえ不服抗告...理由なし」


(前略)

日本製鉄が韓国内の資産差し押さえ命令を不服として起こした即時抗告が受け入れられなかったのは、この8月に続き2度目だ。

11日、大邱地方裁判所によると、大邱地裁浦項支部は昨年、強制徴用被害者たちが「日本制徹の韓国内資産を差し押さえて欲しい」と提出した差し押さえ申請3件を全て承認した。
裁判所の決定に日本製鉄は8月に1件の差し押さえについて、今月9日に2件の差し押さえについて即時抗告した。
しかし、裁判所は8月の即時抗告を「理由なし」と判断したのに続き、今月には2件の差し押さえ命令に対する即時抗告についても先日の10日、同じ判断を下した。
これにより日本製鉄の国内資産差し押さえと関連した事件は大邱地方裁判所民事抗告部で扱うことになった。

(後略)

聯合ニュース「대구지법 "강제징용 일본제철 자산압류 불복 항고…이유없다"(大邱地方裁判所「強制徴用の日本製鉄資産差し押さえ不服抗告...理由なし」)」より一部抜粋


裁判所は売却命令を出すでしょう。問題はここからです。
なんの成果も上げられず焦っている(はずの)ムン政権ですから、ここで止めるとは思えません。任期中に何らかの「決着」を付けたいと思うでしょう。


日本製鉄の韓国内資産として差し押さえられているのはPNRの株式です。

ここからは個人的な考えです。

ムン政権にとって一番都合が良いシナリオはこの株式が売れることです。「加害企業・日本製鉄の資産を売り払ってやった」と韓国民の溜飲を下げることが出来ますからね。

ですが、PNRの株式は非公開株なので買い手が付く保証がありません。額面=価値でもありません。
元の持ち主である日本製鉄が買い戻してくれるのがベストなはずですけれど、今のままでは日本製鉄側の「協力」が得られるとはとても思えませんね。

日本政府及び日本製鉄に対して何らかの働きかけが続くでしょうが、一体どうするつもりなんでしょう?