世界81カ国でインターネット世論操作部隊が活動している、という報告書の話

2001年に設立された英オックスフォード傘下のインターネット研究所(Oxford Internet Institute : OII)がソーシャルメディアを活用した「世論操作」を組織的(政府、企業など)に行っているという証拠のある国のレポートを公表しました。
ロシア、中国などに並んで韓国も載っています。

日本については少なくともこのリストには載っていません。が、これは「日本政府、あるいは企業が組織的に行った」という証拠が見つかっていないだけで、よそからの工作が無い、という意味ではありません。


聯合ニュースの記事からです。

「世界81カ国で『世論操作』サイバー部隊活動..韓国も含まれる」


英オックスフォード傘下のオックスフォード・インターネット・インスティテュート(OII)は13日(現地時間)に出した報告書を通じ、世界81カ国でソーシャルメディアを通じて世論を操作する「サイバー部隊」が産業的規模で活動する証拠を発見した、と発表した。

OIIは「産業化された虚偽の情報 - 2020年に組織されたソーシャルメディア改ざんリスト」として公表した報告書により、その組織的活動を捉えた国が2017年に28ヵ国から2019年に70ヵ国、2020年には81ヵ国に増加した、と集計した。
この機関は「国際的に流布している虚偽情報は産業的な規模で、手法が専門化されている」とし「サイバー部隊を運営する主体は政府機関、広報会社、政党など」と分析した。
そして「虚偽情報の流布は多くの政府と政党が世論を有利にし、相手の信頼を落とし、政敵除去、外国の内政干渉に至るまで政治的に駆使するよくある手法になった」と指摘した。

(中略)

韓国もサイバー部隊を運営し、虚偽の情報を流布して世論戦をする国81ヵ国に含まれた。
OIIはサイバー部隊を組織した主体として政府機関、政治家・政党、インフルエンサー・市民であることを明らかにした。
韓国で世論戦のために事実と異なる情報を流す偽のアカウントの形態はボットと人が管理するアカウントと調査された。
こうしたアカウントを通じて流布される虚偽の情報は、政府を過度に支持したり、政敵や相手勢力を攻撃して冷やかす内容、分裂・両極化を煽る主張などだった。
サイバー部隊の力量を三段階に分類した場合、韓国は中段階に属した。
中段階とは、サイバー部隊が一貫した戦略や形式で活動しながら、正社員を雇った状態を意味する。北韓も中段階に含まれた。
サイバー部隊の力量が最も強い国は米国、中国、ロシア、英国、イスラエルサウジアラビア、イランなどが属した。

聯合ニュース「"세계 81개국서 '여론 조작' 사이버 부대 활동..한국도 포함"(「世界81カ国で『世論操作』サイバー部隊活動..韓国も含まれる」)」より一部抜粋


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濃い色に塗られたところが対象の国・地域です。

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色の付いているマスがサイバー部隊を組織している機関の一覧です。
左から、政府機関、政治家・政党、民間請負業者、市民社会組織、市民・インフルエンサーとなっています。

日本は載っていないのですが、世論戦・情報戦に弱いという証左でもあるように思えて、ちょっと素直に喜べないと言うか、少し複雑な気分です。

日本あるいは日本人をターゲットにした外からの工作には普通に晒されているでしょうから、一つの意見や考え方だけに「そーだそーだ」と迎合するのは気を付けないとダメですね。