黒海での多国籍軍事演習、日本は参観、韓国は不参加の話

今月の28日から来月の10日まで、黒海で「Sea Breeze21」という軍事演習が行われます。米軍とウクライナ軍が共催する演習で、主にNATO加盟国や黒海沿岸国が参加しています。

その演習に日本の自衛隊が今年初めて参観します。
で、米海軍が公式発表した参加国一覧には韓国の名前もあるのですが、韓国国防部は「参加する計画はない」としています。
なんで食い違っているのか分かりません。ヤンセンワクチンしかくれなかった事に対する腹いせ?...まさかね。

いずれにせよ、今年3月に行われた太平洋地域の米軍部隊によるミサイル防衛合同訓練と同じ形です。日本は参観、韓国は不参加。


聯合ニュースの記事からです。

米、ロシアが敏感な黒海合同演習に韓国を将兵...韓国軍「不参加」


米国が黒海ウクライナ海軍と主管する多国籍連合海上演習に韓国を招待したのに続き、公式発表資料に参加国として明記した。

しかし、韓国国防部と海軍は演習に参加する計画がない、と明らかにした。

軍当局によると、米国は最近、ウクライナを通じて今月28日から来月10日まで黒海で行われる多国籍連合海上演習「シーブリーズ(Sea Breeze)21」へ韓国の参加を要請したという。

(中略)

米国軍第6艦隊司令部は21日(現地時間)、公式発表資料に韓国を参加国と明記した。
これに対し、韓国国防部と海軍は「韓国軍は訓練に招待されたが、当該合同訓練に参加、および参観する計画はない」と明らかにした。これまで同演習にオブザーバー(参観)資格でも参加したことがないという。

韓国軍が米国とウクライナの要請にも関わらず、演習に参加しないことを決めたのは、韓ロ関係など韓半島の戦略環境だけでなく、黒海まで艦隊を送る環境が不十分だという点などを考慮したものと分析される。

(後略)

聯合ニュース「미, 러시아 예민한 흑해 연합훈련에 한국 초청…한국군 "불참"(米、ロシアが敏感な黒海合同演習に韓国を将兵...韓国軍「不参加」)」より


6月21日に米海軍がプレスリリースとして発表した内容には、参加国一覧の画像が添付されていました。

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今年は歴代最多32ヵ国が参加(5000人規模、船32隻、航空機40機)予定となっています。
日本の国旗もありますね。3月にウクライナ防衛相のタランさんが訪日された際に話を詰めていたようです。

当然、韓国との間にも具体的な段取りの話がもっと前からあったものと思われます。
また参加とは言っても、恐らく日本と同じオブザーバーとしての参観です(主体はNATOなので)から、艦隊を送る必要もないと思うのですが...。

つい先日、韓米ワーキンググループ(作業部会)を解散するという話が出たばかりです。
韓国ではこのワーキンググループを「韓国が独断で北朝鮮を『支援』しようとするのを阻止するための足かせ」的な見方が随分浸透していたようです。
南北友好の弊害が一つ無くなるとして、好意的な報道が多かったのに対し、VOAなどはワーキンググループを解散して終わりではなく、より拡大した形で(日米韓)の協力体制としてシステムは継続される、という見方を示していました。
なんかズレてるんですよね。

今回の米軍の公式発表と、韓国国防部の意思の食い違いも、こうしたズレの表れのように思えます。