ラムザイヤー教授「日本軍は強制的に売春婦を集める必要もなく、その暇もなかった」だから「強制連行はなかった」という話

慰安婦は日本軍性奴隷ではなかった」という趣旨の論文を書いて人格攻撃まで受けたハーバード大教授のラムザイヤーさん、覚えてますか?
最近大分静かになっていましたが、7月30日に日本で発売された書籍に寄せた文がまた韓国さんの気に触ったようです。

本は慰安婦関連の書籍ですが主題は慰安婦ではありません。慰安婦については契約売春婦であったことが前提となっています。
その上でラムザイヤーさんの論文の内容や撤回要求について、撤回を求める人たちの弁論手法(レトリック)、反論が反証として成立していない感情論、慰安婦制度は人権問題なのか?...このような事について書かれたもののようです。慰安婦問題というよりラムザイヤーさんにフォーカスした内容ですね。

で、主役のラムザイヤーさんは「日本軍は強制的に売春婦を集める必要もなく、その暇もなかった」「公文書にも痕跡はない」だから「強制連行は無かった」と、日本の読者へ向けてこんな感じの序文を書いています。


聯合ニュースの記事からです。

ラムザイヤー、日右翼の本に序文..「日本軍、売春婦を拉致する必要はなかった」


慰安婦を売春具と規定した論文を書いて波紋を起こしたマーク・ラムザイヤーハーバード大ロースクール教授が一歩進んで日本軍の強制募集自体を全面否定した。

ラムザイヤー教授は有馬哲夫早稲田大学教授が先月30日に出版した「慰安婦はみな合意契約をしていた」という本の序文で 「日本軍は売春婦を強制的に募集する必要もなかったし、そんな余裕もなかった」と断言した。

さらに2次世界大戦当時、日本軍の公文書でも慰安婦強制募集についての形跡も見られないとし、今年初め学界の批判を受けた論文の主張を根拠なしに繰り返した。

彼はチェジュ島で直接慰安婦を連行したという証言を盛り込んだ吉田清治の手記「私の戦争犯罪」が1983年に発刊されて以来、韓国で被害補償請求が出始めたと主張した。

そして「以前は慰安所で働いたと主張した女性や、父の圧力のため慰安婦になったという女性も日本軍に強制連行されたと説明し始めた」と言い張った。

(中略)

彼は「学者間の論争では事実関係が明確になればなるほど攻撃がさらに激しくなる場合がある」とし、自身に対する批判もこうした事例に当たるという論理を展開した。

(中略)

彼は「私の論文が韓国に対する侮辱だと考える人も居たし、自分の母国に対する侮辱だと攻撃する韓国系米国人もいた」とし、まるで韓国人が非正常に自身の論文を批判したかのように状況を歪曲した。

また自身の論文撤回と謝罪を求める声が相次いだ国際学術界の状況については「学界の共闘のようだった」というように理念論を展開し、非難したりもした。

ラムザイヤー教授が序文を書いた有馬教授の本は、慰安婦を売春婦と規定した論文の主張を擁護する内容が盛り込まれた。
特にラムザイヤー教授に対する批判を第2次世界大戦当時のナチス言論弾圧に喩えるなど、日本右翼の見解が反映されたと評価される。


(後略)

聯合ニュース「램지어, 日우익 책에 서문.."일본군, 매춘부 납치할 필요없었다"(ラムザイヤー、日右翼の本に序文..「日本軍、売春婦を拉致する必要はなかった」)」より一部抜粋


記事には本のページの一部がキャプチャ画像として掲載されていました。内容は以下です。

 もちろん、日本軍は強制的に売春婦を集める必要もなければ、また集める暇もなかった。 また、吉田自身も自分の本に書いたことが捏造であったことを認めたし、当時の公文書にも慰安婦狩りの痕跡を示すものは、全くありませんでした。
 こういったことから、朝鮮半島慰安婦の強制連行などなかったことが、わかります。しかし、学者の間の論争では、事実が明らかであればあるほど、攻撃が猛烈になるということがあります。まさに、これが私に起こったことだと思います。
 日本の読者の方々は、くれぐれもこのような話に騙されないでください。

『「慰安婦」はみな合意契約をしていた』(有馬哲夫 著/ワック発行)より


太字部分は私が勝手に入れました。元記事ではその部分にマーカーが入れられています。
本は未読です。目次を確認したところ巻末にはラムザイヤーさんの完訳論文も収録されているそうです。

「慰安婦」はみな合意契約していた [ 有馬 哲夫 ]

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感想(0件)


聯合さんの「根拠なしに」というツッコミは笑うところでしょうか?
吉田清治さんの本は「手記」ではなく「小説」カテゴリで発刊されていること、朝日新聞が吉田さんに関する記事を正式に誤報と認めたことには触れないで、吉田さんの「手記」があたかも強制連行の根拠であるかのように印象操作して取り出すんですからズルい話です。

また、ラムザイヤーさんが状況を歪曲していると言い、論文撤回要求が学術界の総意のように受け取れる書き方ですが、実際には論文は撤回されず予定通り掲載されています。学界全体が論文を問題視しているなら、これはおかしくないでしすか?状況を歪曲しているのは一体どちらでしょう?

確かにラムザイヤーさんの論文撤回を巡っては署名活動が行われています。学問の世界に身を置く学者らが、反証論文ではなく署名活動で論文を撤回させようというのですから噴飯ものです。(あぁ、ご飯が勿体無い)