(自称)徴用被害者側が裁判官の変更を要求している話

最近立て続けに3件の徴用訴訟で原告敗訴の判決が出ています。その流れに危機感を持ったのか、別の徴用訴訟の原告側代理人が裁判官の変更を要求しているそうです。

理由は担当の裁判官が2003〜2017年まで長期にわたって勤務していた法律事務所が日本企業の訴訟代理人を担当していたためだそうです。

ニューシースの記事からです。

日強制徴用訴訟、「法律事務所出身」裁判官に忌避申請


強制徴用被害者と遺族の損害賠償訴訟を支援した民主社会のための弁護士会(民弁)が事件を審理するある判事が日本企業の代理人と同じ法務法人に長期間勤務していたとして忌避申請を出した。


14日、民弁・公益人権弁論センターなどはソウル中央地裁民事96単独のイ・ベクジュ判事に対し、強制徴用被害者遺族のAさんら10人の代理で裁判官忌避申請を行ったと明らかにした。


(中略)


民弁は「裁判官が強制動員した加害日本企業の訴訟代理を事実上担当してきたキム・アンド・チャン法律事務所で2003年から2017年まで長期間勤務し、現在の訴訟で日本企業側の訴訟代理人弁護士らと長期間同僚として勤務した」と主張した。


続いて「キム・アンド・チャンは調整動員訴訟の過程で『徴用事件対応チーム』を作り、司法部、行政府と緊密な協議を行うなど、裁判手続きに不当に関与したという疑惑を受けている」と主張した。


さらに「今回の事件でも日本企業側の代理人を務めるキム・アンド・チャンの所属弁護士の一部は徴用事件対応チームの一員とされている」と明らかにした。


民弁公益人員弁論センターはイ判事がキム・アンド・チャンに勤務し、日本企業側の弁護士とも一定の関係を築いている可能性が高いと見ている。


ニューシース「日강제징용 소송 유족들, '로펌 출신' 법관 기피 신청(日強制徴用訴訟、「法律事務所出身」裁判官に忌避申請)」より一部抜粋

担当する審理の関係者に知人、もしくは利害関係者がいる場合、外すのは基本でしょうから忌避申請自体は真っ当だと思います。

ただその場合、後任の裁判官はもちろん原告側とも利害関係がない人であることが絶対ですけれど。

余談ですが、日本だと裁判官(検事)が退職後、弁護士になるという公→民への移動が基本ですよね。ヤメ検(元検事の弁護士)なんて俗称があるくらいですから。

逆に元弁護士の検事、なんてのは聞いたことがありません。私が知らないだけかも知れませんが。