「福島原発事故」の教訓を、韓国では「新たな反日テーマ」としか見ていない、という話

福島県議員が韓国にとっての「福島原発」は「反日テーマの一環」ではないか、という見方を韓国保守系メディアとのインタビューで示しました。

福島を「日本の弱点」とする考え、バンダーさんも以前「弱点を必要以上に刺激するのは良くない」という趣旨で書かれています(こちら)。そのときは「弱点」とする考え方そのものに違和感を感じたのですけれど、今回のはちょっと方向性が違います。放射能問題は日本の弱点、と見なしているのは韓国政府と韓国メディア、という視点です。
むしろ国際社会では日本の透明な情報開示と事故処理から科学的な知識を蓄積してきたにも関わらず、韓国では福島原発を「新たな反日テーマの一つとしか見ていない」、こうした姿勢が続く限り「日本が先に歩み寄ることは無い」というものです。

 

 

メディアウォッチの記事からです。

【単独】「福島原発事故10年、韓国の『反日テーマ』の一環ではないか」


日本の福島原発事故から10年が経った。 これまで国際社会は、日本の透明な情報公開と事故処理のおかげで、放射能に関する無知を修正し、科学的な知識を蓄積してきた。 反面、韓国は国際社会のコンセンサスから抜け出し、もう一つの強力な反日象徴だけを得たのではないだろうか。


福島県の渡辺康平県議員は先に「月刊hanada」に投稿した連日の寄稿文で、韓国政府と韓国メディアが福島原発事故を独島、徴用工、旭日旗などに続き、新しい反日のテーマにしていると憂慮してきた。


先週行われた本紙との書面インタビューで渡辺議員は「韓国で福島原発事故に関するデマが普及し、それを韓国国民が固く信じるようになった現実は非常に残念なことです」と述べた。
さらに、「東日本大震災東京電力福島第1原発事故からすでに10年が経過した」と指摘し、「(韓国とは違って)過去10年間、国際的にはすでに福島県に対する理解と放射能問題に関する知識が深まったと考えられます」と述べた。


ほかの反日テーマについても同様に、日本側は福島原発事故に関しても「真実」と「透明性」を強調している。渡辺議員もまた、決して政治的な理由や友好協力のためにウソを掲げて扇動する韓国政府と韓国マスコミには屈服しないという立場を明らかにした。
渡辺議員は、「韓国側の官民を伴った日本に対する蔑視行為が、これまで竹島、応募工、旭日旗などさまざまな政治的課題において行われてきました」と直言し、「ただそのテーマの一環として、やはり『福島原発事故』も含まれていると思います」と診断した。
続いて「放射能問題は日本の弱点』という観点で韓国政府と韓国メディアが日本および福島県を追い詰める方針と姿勢に変わりがない限り、日本が韓国に先に進んで近づくことはない」と強調した。


彼は「もちろん『会いたいものだけを見て、信じたいものだけを信じる』といった確証偏向を排除するのは非常に難しい過程だ」とし「しかし確証偏向が除去されてはじめて新たな日韓関係が構築されると固く信じています」と述べた。


(中略)


風評被害を払拭するための日本政府の取り組みについて、渡辺議員は、「政府は8月24日、処理水の海洋放出について、官僚級会議を総理官邸で開き、風評被害が発生した場合、魚廃類を政府が買い取る基金の創設など、政府対策の中間取りまとめに取り組みました」と説明した。
また、「安定性評価に関し、協力を受ける国際原子力機関IAEA)に加えて、経済協力開発機構OECD)および原子力機関(NEA)とも連携を強化し、専門家を伴ったワークショップにより、世界各国に処理水の安定性を発信する方針が述べられています」と付け加えた。


渡辺議員によると、福島原発事故後、国際社会は中国や韓国ではなく、日本の主張を一層信頼するようだ。
実際、菅義偉元首相が今年4月に処理水の海洋放出方針を決定したことについて、米国務省のネッド·プライス報道官は、「独特で困難な状況で、日本は透明性を維持し、世界的な原子力安全基準を満たす方法を採択した」と評価した。 トニー·ブリンカン国務長官ツイッターで「透明性のある活動に感謝する」という意見を示した。


韓国は、文在寅政権発足後、前例のない反日行動を続けている。 このような反日運動にだけ熱中している間に、韓国は福島原発事故で得られる教訓を得ることができず、失ってはならない同盟と友好国を失っているのではないか、自問することだ。


メディアウォッチ「[단독] [인터뷰] “후쿠시마 원전사고 10년, 한국인 ‘반일 테마’ 일환된 것 아닌가”(【単独】「福島原発事故10年、韓国人『反日テーマ』の一環ではないか」)」より一部抜粋

すごくキレイに正論がまとめられています。しかし残念なことに、正論であればあるほど通じないのが韓国の「反日」です。

訳では省略しましたが、渡辺さんは「韓国が聞く耳持たないなら韓国はほっぽって台湾とか香港とか、他のところと話すだけ(意訳)」的なことを言っています。韓国はよく日本が韓国をパッシングしていると主張しますが、自分から進んでパッシングされるように行動しているということがここからもよく分かります。

一応補足として記事内の「徴用工」と「応募工」の混用ですが、地の文は「徴用工」、括弧書きのところは本人の発言に忠実に書かれているようで「応募工」とされていましたので訳もそれに倣っています。
また、「旭日旗」については通常「旭日旗」をハングル表記した「욱일기」が使われるのが一般的ですが、なぜか日本語の音をハングル化した「쿄쿠지쓰키」で書かれています。これは何のこだわりか、ちょっと分かりませんでした。