米国人を対象にした2つのアンケート結果の話

同時期に米国人を対象にした2つのアンケートで、最大の敵は1位「北朝鮮(58%)」と、最大の脅威は3位「北朝鮮(12%)」と、全然違った結果が出ました。

一つは英国のエコノミスト紙とデータ分析会社のYouGovが1500人の米国人を対象に「米国の最大のは?」と聞いたもので、58%が北朝鮮と回答したそうです。

似たような調査を行った米国のロナルド·レーガン研究所の結果では、最大の脅威国家は中国(52%)で、北朝鮮は12%という結果だったそうです。

 

 

朝鮮日報の記事からです。

米国の最大の敵はどこか、と聞いたら...58%が選んだ国


英国の時事メディアのエコノミストThe Economist)とデータ分析会社ユーゴブ(YouGov)が先月27日から30日まで米国有権者1500人を対象にアンケート調査を実施した結果、回答者58%が北韓を米国の最大の敵に選択した。イランが44%、そして中国とアフガニスタンが33%で北韓に次いで米国最大の敵性国家に選ばれた。

特に今回の調査結果は大学を卒業した白人男性の場合、回答者の82%が北韓を米国最大の敵として挙げた。年齢別に見ると65歳以上の72%が、そして18歳から29歳までの若年層の45%が北韓を最大の敵に挙げ、年齢が高いほど北韓に対する敵対感が強いことが分かった。

これとともに年俸が6000万ウォン(約10万ドル)以上(67%)、そして10万ドル(1億2000万ウォン)以上(66%)の回答者たちが、5万ドル未満(48%)の回答者たちを大きく上回った。所得の多い米国人が少ない人々より相対的に北韓を敵と考える割合が大きいことが分かった。

一方、この調査で「ジョー・バイデン大統領就任後の米朝関係の進展」を問う項目で、回答者の42%は「悪化した」と答えた。「改善された」は15%、「変化がない」は28%だった。15%は「よく分からない」と答えた。

(中略)

米国のロナルド·レーガン研究所が1日に発表したアンケート調査によると、「米国の最も大きな脅威国家」は中国だという結果が出た。同研究所が10月25日から11月7日まで米国の成人2523人を対象に調査した結果、全体回答者の52%が中国を米国の最大の脅威に、次いでロシア(14%)と北韓(12%)だと答えた。



朝鮮日報「미국의 최대 적 누구냐 물었더니… 58%가 찍은 이 나라(米国の最大の敵はどこか、と聞いたら...58%が選んだ国)」より一部抜粋

この手のアンケートには、そもそも信憑性が無いのか、それとも「敵」と「脅威」の意味合いが違うのか...。

「敵」は軍事的な脅威に限定されるもので、「脅威」と言うと、経済的・覇権的・軍事的...などあらゆる意味合いを含む、というのであれば、この結果の差異に納得できなくもないです。
米国人にとって北朝鮮は、軍事的脅威ではあっても国力的には脅威に成りえない、その差が2つのアンケートの結果に顕れたのかもしれませんね。

もちろん他にも理由はあるかもしれませんが、個人的にアンケートの設問によって答えを誘導できる可能性は高いと感じます。